こんにちは。ディレクターのロジャーです。
突然ですが、御社の海外向けサイトで、以下のような写真を多用していませんか?
1. 握手しているビジネスマン
2. 笑顔で応答しているコールセンターのお姉さん
3. 真面目そうなビジネスパーソンの集まり
4. 右肩上がりのグラフ
5. 高層ビル
6. パソコンまわり
7. 地球儀
ドキッとした方もいらっしゃると思います。
もしそうであるならば、一度見直した方がいいかもしれません。なぜならその1枚の写真が海外での御社のイメージを大きく下げている可能性があるからです・・!
▲御社のサイトのトップページでこの類の写真が入っていれば、要注意です!
日本ではあまり耳にしない話ですが、海外のユーザーはフォントのチョイスと同じように、写真の内容や質にも大変敏感です。例えばユーザーがある企業サイトを訪問した際、大きなトップビジュアルを目にして「あっこれ素材だな」と分かった瞬間、その企業への印象が一気に下がってしまうケースが少なくないのです。
それを「ストックフォトクリーシェ」(Stock Photo Cliché)と言います。「クリーシェ」というのは、「決まり文句・定番」という意味を持ちながら、「型にはまっていて陳腐である」というネガティブな言葉でもあるのです。
最高のサービスや商品を提供している企業であれば、それに見合ったサイトデザインを目指すべく、クリーシェをぜひ避けていただきたいものです。
▲ストックフォトクリーシェの代表格である、「サラダを前に1人で笑っている女性(Women Laughing Alone with Salad)」です。専用tumblrがあるほど有名なクリーシェです。
では、写真のチョイスでクリーシェにならないための3つのアドバイスをご紹介したいと思います。
伝えたいことをちゃんと伝えるためには、プロの力を借りるのがベストです。厳しい予算やスケジュールのなか、安価な素材写真で初期コストが削減できたとしても、チープなサイト(=企業)だと決めつけられて海外の有望な顧客を逃してしまう方がよほど大きな損失です。逆に、きちんとブランディングしている企業には海外ユーザーも非常に好意的。商談への効果も高いのです。
▲御社の「オンリーワン」のメッセージをしっかりと伝えるために、やはりプロカメラマンの力を借りるのがベストです(参考:株式会社ニデック)
安価な素材写真、特に人物写真は同じモデルさんが登場することが多いもの。「このモデルさんはあのサイトにも出てる!」と思われてしまったら企業のイメージがぐんと下がってしまう恐れがあります。使うなら、より良質かつ「レア」な素材写真を使っていただきたいものです。
▲良い素材写真を探す際のポイントは「より珍しく」なのです(出展:Veer.com)
いくら良質な写真を購入して使ったとしても、「そのまま」使うのはやはり芸がありません。色補正は必須項目として、人物写真なら切り抜いて違う背景と組み合わせたり、タイポグラフィや他のデザイン要素と併用したりできると、無味乾燥な素材写真も深みのあるビジュアルに生まれ変わります。
▲手書きイラストと合わせたり、大胆に切り抜いて、大きな文字や変わったデザイン要素と組み合わせたりすれば、平凡な素材写真も印象に残るビジュアルに進化します。
いかがでしょうか?
特に海外サイトは多言語対応のみにとどまりイメージは国内サイトの焼き増し、になりがちな企業も多いもの。
日本人とは違った目線で見られている海外サイトこそ、翻訳だけでなく写真1枚1枚をよく吟味したいものです。
多くのコストをかけるWeb制作プロジェクトだからこそ、ほんのひと手間がマーケティングの結果を左右するのです!