今年も4月に自社サイトをリニューアルされた企業は多いことと思います。
あれから1ヶ月が経ち、アクセスやお問い合わせ数に少しずつ変化が現れ始めているのではないでしょうか。
実は私たちがWeb担当者様からよく伺うご質問に、
「Webサイトをリニューアルしたものの、それをどう上司に報告すれば良いのか分からない」というものがあります。
今後の本格的なサイト活用に向けて、そうしたお悩みへのヒントをお話したいと思います。
Web担当者向けの参考サイトや書籍、セミナーなどでは
「リニューアルプロジェクト前に、リニューアルの目的・目標を明確にする設定しましょう!」とよく言われます。
けれどそれは若干理想論的。
現実的には難しいと思われる担当者も多いのではないでしょうか?
などなど。
このような場合にリニューアルした結果を上司にさてどう報告しようか…と悩むケースは多いのです。
そこで評価基準として、2つの観点を持つのをお勧めします。
【1】リニューアルプロジェクト自体の評価
【2】コンテンツ別KPI(成果指標)の評価
この両者を一緒に評価しようとすると、評価軸がブレたり、急に「問い合わせ数は増えてるの?」と訊かれた時に返答に困ったりします。
例えるならばサイトリニューアルを「ビルを作ること」、各部署が運用更新していくことを「そのビルで商いを行うこと」として位置付け、それぞれの軸で評価することで「誰が何をやったためにどうなったか」ということを明確化しやすくなるのです。
それではまず、【1】の「Webサイトリニューアルプロジェクトそのものを評価する視点」を考えていきましょう。
この段階でのアウトプットとしてお勧めなのは
(1)アクセス解析レポート
(2)ユーザーアンケート
の2点です。
Googleアナリティクスによるアクセス解析レポートは、Webサイトの評価を行う際の今や基本というべきものです。
基本的な指標(訪問数やページビュー、直帰率など)やレポート(参照元、閲覧ページ、ランディングページなど)のリニューアル前後の推移を報告するだけでも、ある程度求められているものを満たすことはできるでしょう。
しかしそれだけでは、
「ふーん・・」
「結局、リニューアルの何が良かったの?」
「どうしてこう変わったの?(イマイチ分からない・・)」
といった反応が返ってくることが大いに予想されます。
そうならないために、もう少し掘り下げて考えてみましょう。
リニューアルの成果を測っていくためには、まずリニューアル企画中に検討した「リニューアルをしたら、ここがこう改善されるのではないか?」といった「仮説」を思い出す必要があります。
その「仮説」の部分がちゃんと改善されたかどうかをアクセス解析の数値で測るのです。
具体例として、「サイトの直帰率を改善する」というテーマで考えてみましょう。
サイトの直帰率改善は、リニューアルの際に必ず意識されるもののひとつです。
しかし、リニューアル後にサイト全体の直帰率が劇的に改善されました!
というケースは、実は少ないのをご存知でしょうか。
そんな時には、個別のコンテンツ単位で直帰率の推移を確認しましょう。
Googleアナリティクス上では、「行動>サイトコンテンツ>ディレクトリ」レポートとなります。
特に、「製品情報」「事例」といった、ユーザーにたくさん見て回ってほしいコンテンツの直帰率の改善状況はどうでしょうか?
これらのコンテンツ(ディレクトリ)の直帰率がリニューアル前より改善されているのであれば、リニューアルの目的は達成していると言えます。
これは、ページビューの多いページ=ユーザーニーズの高いページは直帰率が一般的に高いために起こります。
例えば、「会社概要」や「拠点一覧」ページなどは、連絡先や地図・交通アクセスに関する情報のニーズが高く、かつそのページを1ページ閲覧すれば目的は達成されるので直帰率が高いことが多いのです。
そういったページはページビューそのものも多い傾向があるため、サイト全体の直帰率を引き上げる要因となるのです。
それでは、次に直帰率を引き上げているコンテンツの種類や比率がリニューアルでどう変わったかを見るにはどうしたらいいでしょうか?
次回は、Googleアナリティクスの「セグメント」機能の説明を中心にその点についてご説明していきます。
どうぞお楽しみに!
また、Webサイト制作・リニューアルを成功させるためのチェックリスト10をこちらの記事にまとめていますので、是非ご確認ください。
「Webサイト制作を成功させるためのチェックリスト10」