こんにちは!
INBOUND2018速報〜Marketing Hub編はもうお読みいただけましたか?
今年のMarketing Hubの製品アップデート内容は、私たち日本の企業がマーケティングを始めるにあたっても嬉しいポイントが多かったのが印象的でした。
さて今回は、営業の効率化〜質の向上まで改善できる機能が盛りだくさんの
「HubSpot Sales Hub」アップデート情報の速報をお届けしたいと思います!
まずは、こちらのデータを見てみましょう。
【問い】どれくらいの時間を次の業務に費やしていますか?
営業担当者が1日のうちに”営業活動”に費やしている時間は、なんと34%しかありません!
営業以外にも周辺タスクがたくさんあり、それらに時間の大半を奪われているようです。
同様に、マネージャークラスの人材が若手に対する教育や指導の時間をとれず、若手が悪い習慣を繰り返してしまうという問題にもつながっています。さらに、営業に顧客に向き合う時間の低下が「顧客との意識の剥離」を引き起こしています。
新しいSales Hubは、このうち5つの項目(赤字の部分)を自動化することで、営業担当者が営業に集中できる環境を作ってくれます。また、その中にはマネージャーをメンター(指導者)にするための機能も含まれています。それでは1つずつ見ていきましょう。
一つ目は、Slackとの連携です。日本でもIT企業を中心に利用が広がっていますよね?今やアメリカを中心とする多くの営業担当者がSlackを使用していると言われています。そこでHubSpotでは、営業担当者に取引の動きや、アポイントメントやタスクをSlack上でお知らせする機能を装備。簡単にセットアップすることができ、大きな時間の節約効果を感じられるポイントです。
次にzoomとの連携です。当社タービン・インタラクティブでもオンラインミーティングはzoomが標準となっているので、個人的にも嬉しい機能です。
「毎回のミーティングに合わせて、ミーティングリンクをコピー&ペーストするのは面倒ですよね?」
インサイドセールスやオンラインミーティングが広く浸透している米国では、司会者がここまで伝えただけで拍手喝采が湧き起こったほどです。
日本でのオンラインミーティングも普及に普及が進んでいます。HubSpotを利用して効率化ができるのであれば、取り入れない手はないでしょう。相手にもこちらにもメリットがあることは「習慣化」が可能だと思います。
Zoomやオンラインミーティングについては過去記事でも紹介していますので、
「Web会議にはZoomがいい?Skypeとの違いとメリット・デメリット」を参照してみてください。
こちらはすでにある機能では...?
とお思いになった方もお多いでしょうが、プレゼンターのルーは違うと言い切りました。
マシンラーニングのアルゴリズムを全く新しいものに作り替えており、実はこれがHubSpotにとって初めてのDeep Learning(深層学習)を取り入れた調整なのだそうです。
スピーカーのルー氏は、この新しい予測スコアリングについて、「今までの予測スコアリングはロジスティック回帰分析モデルに頼っていましたが、新しい分析はニューラルネットワークから学びます。・・・私にも何を言ってるのかよくわかりませんが(笑)、とにかくこれまでで最高の精度の予測結果が表示されると聞いていますので、きっと素晴らしいものです!」と話していました。
重要なコメントにユーモアを絡ませて発表してしまうところが米国らしいですね(笑)。
予測リードスコアリングの実用性については国内でも賛否ありますが、HubSpotの深層学習への取り組みということで、試してみる価値は十分あるでしょう。
この「見積承認機能」を使うことで、例えばクライアントと取引する際、割引パーセンテージなど上司の承認を得る必要がある場面もスムーズに進めることができます。
もう営業担当者が取引の承認を求めて、CFOや営業部長を探してオフィスを探し回る必要はありません。
ここぞというタイミングでのスピード感が重要な営業の現場で、成果を左右するとても重要な機能と言えるでしょう。
これは一言でいうと、オンラインシグネチャー機能です。国内でも「クラウドサイン」などの電子契約サービスでご存知の方も多いと思います。
要するに、Webだけで契約を完結できる機能で、契約社会と言われるアメリカでも利用が進んでいるサービスですが、それがHubSpot Sales Hubに取り込まれました。取引が開始される一番重要な場面に、スピーディーに相手の承認印を簡単に得られることは、営業担当者には嬉しい機能ですよね。
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ここまでは営業担当者の業務効率アップをサポートする機能を紹介してきました。
ここからは、冒頭で述べた2つ目の課題である「若手営業担当者が悪い習慣を繰り返してしまう」という課題。これを解決するための、「マネージャーをメンターにする」ための機能です。このあたりの考え方はとてもアメリカ的で面白いですよね。
下のアンケート結果をご覧ください。
【問い】営業担当者が能力向上するために何を頼るか?
つまり、同僚やマネージャーは営業担当者がアドバイスを求める重要なリソースだということです。
しかしながら、管理職クラスは忙しすぎて、質問しようともなかなか捕まえることはできません。そこでHubSpot SalesHubは、管理職の仕事もシンプルにしてエクセル編集業務から解放し、共有の仕組みを洗練させることで後輩の育成のスピード感を上げるわけですね。
もしあなたが営業マネージャーだったら、部下の仕事のクオリティをマネジメントしなくてはなりません。
架電の数、ミーティング数、売り上げ金額など、様々な数値を管理する必要があると思いますが、そんなときエクセルより便利なツールがHubSpotです。
営業担当者のアクティビティは全て記録されるので、部下の進捗状況は常にアップデートされ続けます。営業チームのレポートも作成することができるので、自分の上司にチーム全体のアクティビティを報告する際も、HubSpotが自動で美しいレポートを作成してくれます。
「プレイブック」は、営業のベストプラクティスやリソースをチームで共有する機能です。プレイブックの意味は「マル秘作戦ノート」と言ったニュアンスでしょうか。
HubSpotのプレイブックではコンタクトや取引に紐づけることができます。
サンプルの画面では、これからファーストコールをかける見込み客のコンタクト情報と架電のためのプレイブックが表示されています。
プレイブックは、マネージャーが事前に作成・共有されているものですが、読み取れる内容はこうです。
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【ファーストコールのスクリプト】
初回の架電時には、このトークスクリプトを使用して質問をしてください。
質問1「購入の意思決定はいつまでを予定されていますか?」
1)3ヶ月後 2)6ヶ月後 3)半年以上先
質問2 ゴール:
相手のビジネスモデルと目標を理解し、なぜその目標を達成したいのかを聞くこと。
・例
・例
・例
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このプレイブックに沿ってコールを行い、クライアントに質問した内容の答えを選択肢から選び進めていくと、あらかじめマネージャーが描いたシナリオに沿って次のアクションや、使うべき資料をおすすめしてくれます。
これを使えば、誰でも「最もうまくいく方法」を共有できるので案件獲得の確率も上がるというわけです。
自由にノートを残していくこともできるので、レポーティングツールとしての役割も果たせます。このあたりは営業大国アメリカの力を感じますね。
こちらは名前の通り、電話の音声を録音し、自動で書き起こしをしてくれる機能です。
興味深い点として、ここにもマシンラーニングの要素が取り込まれていて、電話の終了後タスクを自動生成してくれるそうです。
例えば「明日の夕方5時に電話を掛け直します。」という言葉を読み取り、翌日の夕方5時に再架電をするなどといったタスクをワンタッチで登録できるようになるとのこと!
未来だと思っていたAI営業アシスタントの機能です。
残念ながら現段階では、日本語での動作について確認できていません。
英語での音声認識よりも日本語は難易度が高いため、対応は難しいのではないかとも思われますが、当社でも早速試してみますので、続報をお待ちください。
さて、ここからは冒頭で述べた課題3つ目について。
「カスタマーとの意識の乖離」の課題へのソリューションです。
HubSpot VideoについてはMarketing Hubのアップデートですでに紹介しましたが、セールスプロセスにおいても、いかに動画が有効かということを示すスライドがあります。
”90%のカスタマーは「動画が購入意思決定をする一因となった」と答えています。”
1対1で情報を提供する動画を営業活動に使用することは、実は非常に効果的です。
例えばミーティングで相手から質問を受けた内容のうち、その場ですぐに用意できないものに関して、帰社後に質問を回答する様子を録画した動画を、お礼メールと一緒に送るというのも文字だけでは伝わらない内容を伝えるのに効果的でしょう。
さらにビデオの分析ツールを使用して、相手が動画のどの部分を重点的に再生したかなどもわかるので、次の商談の際の強力な足がかりにもなることと思います。
こちらもMarketing Hubの製品アップデートの中で紹介されたカンバセーション(会話機能)。チャットやメールを統合して、1対1のコミュニケーションを行う新しいインターフェースの登場です。
とくにライブチャット機能は、営業チームの新しい営業チャネルとして活用されることになるるため、営業チームがリーダーシップを取りながらチャットの使い方を先導するのが良いでしょう。日々進化するビジネス上のコミュニケーションスタイルで成果を上げるために、重要な機能になると思われます。
最後に、HubSpotへのデータ移行プロセスの改善が発表されました。
既存データを取り込んでHubSpot活用の準備をするのが劇的にスムーズになります。連絡先や、会社、および取引をセグメント化することが容易になり、インポートが思う通りに行えるようになりました。他のツールからHubSpotへの移行ニーズがますます増えそうですね。
今年のSales Hubの製品アップデート情報はいかがでしたでしょうか?
今回のHubSpot製品アップデートでは、slackやZoomの連携や上司承認の管理などによる「営業の効率化」、プレイブックや架電の文字起こしなどによる「営業の質向上」機能が多く見られました。Enterpriseエディションの機能が大幅に引き上げられ、よりレベルの高いソフトウェアに生まれ変わったほどの印象があります。
社内のセールス活動環境を大きく変化させる機会として、エディション毎にフォローする機能を確認の上、検討されてはいかがでしょうか?