こんにちは、タービン・インタラクティブです。
今年もこの季節がやってきました!
HubSpot恒例の大規模イベント「INBOUND 2020」が、現地時間の9月22日(火)〜23日(水)オンラインで開催されました。
初のオンライン開催ということで、どのような感じかわくわくしていましたが、ライブ配信時には、アバターが自分の代わりに会場に行っているような楽しいインターフェースになっていいました!
昨年のINBOUND2019では、「顧客体験の向上」をテーマに、大きなアップデートこそなかったものの、HubSpotを活用しているユーザーにとって、Marketing・Sales・Serviceの各Hubをより使いやすくする機能が拡充されました。
今年のINBOUND2020では、「powerful and easy to uesd」をテーマに、様々なアップデート情報が発表されました。特に、Sales Hub Enterpriseにて「カスタムオブジェクト」が実装されるという大型アップデートも発表されました。カスタムオブジェクトは、会社や業種に固有の情報を保存するために作成できるデータの箱です。今回このカスタムオブジェクトが実装されたことで、これまでよりもデータを活用した施策展開が可能になります。
この他にも様々なアップデートがありましたが、これよりINBOUND2020で発表されたHubSpotの最新アップデート情報をお伝えします。
※速報につき、随時情報はアップデートしていきます。
※2020年10月2日に更新しました。
今回のINBOUNDのキーノートは、メッセージ性の強いものでした。ここからはそのメッセージの内容を簡単にお伝えします。
(左)Brian Halligan,Co-Founder&CEO,HubSpot/(中央)Dharmesh Shah,Co-Founder&CTO,HubSpot/(右)Christopher O'Donnell,Chief Product Officer,HubSpot
※出典:HubSpot Spotlightより抜粋
新型コロナウイルスの影響により、良くも悪くも人々の生活様式は変わってきています。2020年以降、少なくとも2,3年間は2019年以前のような生活に戻ることは難しいといわれています。
日常の業務においても、ZoomやSlackなどのコミュニケーションツールの導入により、仕事の仕方やリーダーシップの取り方、評価基準も変化しています。ビジネスそのものも、新しい生活様式の中で生き残っていくために、今までの企業文化をテクノロジーと上手に融合させていかなければなりません。これからの状況に柔軟に対応できる会社とできない会社は、大きく差が開くと予測されます。
HubSpotは顧客のニーズに合わせて変化しています。
2020年は新型コロナウイルスの影響もあり、顧客のニーズ・従業員の働き方も大きく変化しましたが、これまでのアップデートの方針から大きく変わった部分はありません。求められるスピード感や連携させるソフトウェアなど、引き続き時勢に合わせて対応させていくとともに、HubSpotはパワフルに、そして使いやすく進化させていく、というメッセージがありました。
HubSpotは、オンラインにおけるマーケティング・営業活動に必要な基本的な機能を保有しています。そして、今回のアップデートで、今までよりもさらにパワフルで使いやすくなります。
購買体験を新しい生活様式の世界でどれだけ対応させることができるのか、それがこれから生き残っていくための鍵です。そのためには、顧客視点のビジネスが展開できるかどうか、CRM(顧客情報)が整備され、マーケティングに使用できるかなどが重要になります。直感的な操作性を大事にし現場での使いやすさに重視しつつ、CRMデータなどの連携を強化することでビジネスをスケールさせます。
その柱となるアップデートが、主に以下の5つです。
様々なビジネスをCRMに接続させるためのスタンダートなオブジェクト(コンタクト、会社、取引チケット)は以前からもありましたが、サブスクリプション情報、送付先情報、など各企業のプロダクトに合わせた情報管理のニーズに対しては十分ではありませんでした。今回のカスタムオブジェクトの実装により、企業ごとに特異的なデータ管理も可能にします。また、通常のオブジェクトと同じ様にリスト条件やワークフロー、レポートでも使えるようになるため、マーケティング施策の幅も今までより広がります。
※9月27日に追加予定
※データの繋ぎ込みなどの詳細は、ハブスポットアカデミーにで公開
※全てのEnterpriseエディションで使用可能
※現状新規のカスタムオブジェクトの定義はAPI経由でのみ可能(参考:開発者ドキュメント)
ABMでは、企業データを用いて「企業」や「組織」単位でも見込み客を識別し、マーケティング活動を実施することができます。今回のアップデートでは、例えば商談に重要な決済権を所有している人、購買担当者と接点がある人といった情報をコンタクト情報にて管理することができるようになります。これにより、オンライン商談をより円滑に進めやすくなります。顧客視点のビジネスを展開していく際、このような重要な情報をコンタクト情報と連携させることは重要になってきます。
※ABMとは、マーケティング部門と営業部門が連携し、販売活動の優先順位が高い特定の企業(アカウント)に対してパーソナライズされた適切な購買体験を提供する戦略です。
※Marketing Hub、Sales HubそれぞれのProfessionalまたはEnterpriseエディションが対象です。既に実装されています。
HubSpotで営業活動の成果を最大化するためのセオリーは自動化やより高度なレポートでビジネスを分析しての改善施策を回していくことです。そのためには元となるデータの入力が必要不可欠です。しかしながら営業担当者は目標達成のため日々忙しく活動しており、CRMのデータ整備に当てる時間をとても嫌う傾向にあります。HubSpotはAIを使用して、そうした営業担当者の業務コストの削減もサポートしていきます。 例えば、Eメールの署名から自動で名前や会社の住所などを認識し、CRMのコンタクトや会社に追加してくれます(現状は英語、スペイン語、フランス語で書かれたEメールのみ対応)。このサポートにより1週間あたり平均して約1時間50分もの業務時間削減が見込まれます。
■自動で収集する情報
First name
Last name
Phone number*
Job title
Mobile phone number*
Fax
City
State
Country
Zip code
Street address
※HubSpot AIは、電子メールの本文と電子メールの署名の両方をスキャンして電話番号を探します。
連続したEメールの送信や、フォローアップタスクの生成など決まったパターンの営業活動の自動化ができるシークエンス機能はこれまでにないほど使いやすくなりました。
タスク管理にはTodayビューが実装され、営業担当者はその日の自分のやるべきことの全てを1つのタブで管理できるホーム画面として使うことができます。TodayビューはHubSpotモバイルアプリからもアクセス可能です。
また、iOSとAndroidで使用できるHubSpotキーボードの公開も予定されています。ドキュメントやスニペット、ミーティングリンクなどHubSpot CRM上で使用している機能をSlackをはじめとする様々なアプリをまたいで使用可能になります。
Marketing Hubの課金はCRMに登録されているコンタクト数によって変動しました。CRMとして使用している以上、中にはマーケティングEメールなどをはじめとするマーケティング施策の対象にしなくてもよいコンタクトも多く含まれている場合があります。 こちらのアップデート適用以降はマーケティング対象のコンタクトを指定し、マーケティングが必要な分のコンタクトに対してのみMarketing Hubとして課金することができます。
この他にもダッシュボードやレポート機能の拡充など、ビジネスをスケールさせるために必要なアップデートが行われていきます。ここからは、各Hubの細かなアップデート(開発中・将来アップデート予定)をご紹介します。
Marketing Hubは、CRMのアップデートによるマーケティン活動の拡張、またレポーティング機能のアップデート行い、操作性の高さを維持したままパワフルなっていきます。
Marketing Hubでは、自動化、Eメール、行動トリガー、セグメンテーションなどのさまざまな機能で、CRMを活用したマーケティングが可能になります。CRMのデータをマーケティングに活用することで、マーケティング活動の効果的なパーソナライズを実現できるようになります。
【対象】使用したい機能によりエディションが変わります。
新しいカスタムレポートビルダーは、すべてのデータに1か所でアクセスできるように構築されています。カスタムレポートビルダー内で、マーケティングEメール、ランディングページ、ブログエンゲージメントデータ(ベータ版全体でさらに多くのデータソースを含む)とともに、連絡先、会社、取引データにアクセスできます。これにより、これまでよりも分析がやりやすくなります
【対象】β版での提供、Professionalエディション以上が対象
これまでレポートのサイズが4つに制限されていたため、重要な情報をすべて見つけるには、レポートの長いページを下にスクロールする必要がありました。現在、20種類のレポートサイズに対応できるため、ダッシュボードをさらにカスタマイズし、最も重要なすべての指標を前面と中央に配置して、ストーリーを伝えるデータにアクセスできます。
【対象】すべてのエディションが対象
HubSpotにて広告最適化イベントを作成すると、コンタクトのライフサイクルステージが変更されたときに自動的に広告ネットワークへその情報を伝えることができます。これにより、顧客なったユーザー(ビジネスにとって最も価値のあるリード)のデータを元に広告の最適化をかけることが可能になります。より少ない金額でより多くの顧客を見つけることができ、マーケティングキャンペーン全体のROASとROIの向上が図れます。
※広告アカウント(Google、Facebook、LinkedIn)との連携が必要になります。
【対象】Professional, Enterpriseエディションが対象
その他細かな開発中、今後開発予定のアップデート内容は以下です。
※出典:https://www.hubspot.com/new
Eメール配信時のパフォーマンスデータが拡充されます。これにより、Eメール配信が改善しやすくなります。また、Eメールのテンプレートがパーソナライズされるよう作成することも可能になります。
売上に何が寄与しているのかを考慮したアトリビューションレポート機能が実装されます。
顧客の行動ベースにマーケティング活動が行えるようになります。また、CRMデータと行動イベントを使用して、見込み客が購入するかどうかを決定しようとしていることが明らかな場合に、見込み客に電子メールを送信するトリガーを設定することもできます。
CRMのデータと統合してオートメーションデータが確認できるようになります。
複数のブラント・事業を1つのポータルで管理することができるようになります。
キャンペーン機能がアップデートされ、マーケティングにおける影響度など視覚的に整理され、見やすくなります。
インテグレーションによって連携されたデータをHubSpot全体で使えるようになります。
新しいチャネル、チャットの高度な機能アップデート、新しいオートメーション機能が追加されます。
Sales Hubは大幅にアップデートされていきます。カスタムオブジェクトやCPQツールの改善などオンラインでの営業活動がしやすくなる機能がどんどんアップデートされていきます。
これまでもアカウントの権限管理をカスタマイズすることはできましたが、今回のアップデートにより、ユーザー・チームごとに閲覧できるデータやプロパティの編集・追加など、より柔軟に対応できるようになります。多くの個人情報が入っているCRMにおいて、その権限管理は衛生管理上、非常に重要です。
【対象】一部機能はEnterpriseエディション以上で使用可能
CPQは「Configure Price Quote」、製品構成と価格と見積のことです。今後のアップデートにより、CMSのデザインマネージャーと同じ機能を使って、見積書・提案書を作成できるようになります。また、製品オプションがリッチになり、何を売るのか柔軟に対応できるようになります。
【対象】Professional, Enterpriseエディションが対象
その他細かな開発中、今後開発予定のアップデート内容は以下です。
※出典:https://www.hubspot.com/new
CRMの中でのタスク管理がしやすくなります。また、営業担当者がAIを使用して1日を調整できるようにします。これにより、モバイルでのタスク管理がしやすくなります。
レポートを作成するために多くの情報を入力することは、忙しい営業担当者にとって面倒くさく、大変です。今回のアップデートでは、通常登録している内容から、営業成果を報告できるレポートが簡単に作りやすくなります。これにより、チーム内のパフォーマンスを確認でき、チームマネージャーも上司への報告がしやすくなります。
チームとチャネルの統合によってユーザーによってさらに使いやすく、また、複数事業での使い勝手が向上し、またモバイルでの利便性も上がっていくようです。他のHub同様レポート機能もアップデートされ、顧客の状況も把握しやすくなります。
コミュニケーションの設定にて、新しく「チーム管理」が登場しました。これを使い、チーム単位でHubSpotアカウントを所持しているユーザーのチャットステータス(離席中/対応可能)をすぐに確認・変更することができるようになります。ユーザー当人が離席の際に、ステータスを変更し忘れたとしても、変更権限をもっている他ユーザーが、適切なステータスに変更できます。これにより、チームのステータスをより可視化して制御できるようになるため、顧客のチャットエクスペリエンスが向上が期待できます。
【対象】すべてのエディションが対象
HubSpot内から多言語ナレッジベースを作成および管理できるようになりました。25の言語を利用できるので、既存のナレッジベースの記事を翻訳して、コンテンツの多言語バリエーションを作成できます。 なお、選択した言語は、ナレッジベースの記事のオプションとして表示されます。
【対象】ProfessionalおよびEnterpriseエディションが対象
自動化されたワークフローを使用して、チケットが最初に作成またはクローズされたときに会話の受信トレイからメールを送信するなど、チケットが特定のステータスに達したときにアクションをトリガーできます。これは、信頼性の高い自動化により、チケットのすべての段階で一貫したプロアクティブなコミュニケーションを顧客に送信できることを意味します。これにより、顧客が大規模で適切なエクスペリエンスを取得していることを確認でき、安心できます。
【対象】ProfessionalおよびEnterpriseエディションが対象
HubSpotがホストするページまたは外部サイトにログイン機能がある場合、チームとチャットするときにログインしている訪問者を自動的に識別できるようになりました。また、ログインした訪問者IDとライブチャットのターゲティング機能を組み合わせて、サイト訪問者にライブチャットオプションを表示するタイミングと場所をさらに調整することもできるようになります。
【対象】すべてのProfessionalおよびEnterpriseエディションが対象
チケットに添付されていないものも含め、すべての会話についてレポートを作成できるようになりました。また、ダッシュボードでは、チャットとFacebookMessengerに関連するレポートメトリックが含まれるようになりました。また、新しいEメールダッシュボードにより、チケットの関連付けを必要とせずに、Eメールに関するレポートも簡単に作成できるようになりました。 これらアップデートにより、今までよりも顧客の全体像を把握しやすくなります。
【対象】すべてのエディションが対象
受信トレイで会話に応答するときに、その会話に関連付けられたすべてのチケットを表示する専用のチケットビューが表示されるようになりました。関連するチケット、連絡先、および過去の会話に関するコンテキスト情報を使用して、問い合わせに対することができます。
【対象】すべてのエディションが対象
これまでは、会話を受信トレイ間で転送することはできませんでしたが、今回のアップデートにより、受信トレイ間で会話を引き渡す方法ができるようになりました。
【対象】すべてのエディションが対象
シングルサインオンの導入により、サインインを効率化しセキュリティー向上を図ります。
【対象】すべてのEnterpriseエディションが対象
その他細かな開発中、今後開発予定のアップデート内容は以下です。
※出典:https://www.hubspot.com/new
アンケートをカスタマイズして、顧客からのフィードバックを収集することができます。自由記載(単行テキスト)やアイコン、数字での評価ができるようになる予定です。アンケートは、メール送信やウェブページに埋め込むことで、利用できるようです。
複数のナレッジベースを作成することができます。これにより、事業部ごとにナレッジベースを作成でき、更新管理がしやすく、またユーザービリティの向上も図れます。
HubSpotのiOS/Androidアプリのチケット管理機能を使用して、顧客をサポートできるようになります。手元にPCがない場合でも、スマートフォンから簡単にサポートできるようになるため、外出中の対応もしやすくなります。
※出典:https://www.hubspot.com/new
企業のGrow Betterを促すため、マーケットプレイスがさらに充実していきます。企業にとって必要なコミュニケーションツールや会計ツールなど、連携させるソフトフェアを増やし、リモートワークでも仕事がしなすくなるようにします。
HubSpotは、2019年11月4日に業界トップクラスのiPaaS「PieSync」を買収しました。PieSyncはクラウドやオンプレミスのツール間で顧客情報をリアルタイムで自動同期できるiPaaS(Integration Platform as a Service)で、PieSyncの双方向同期技術をHubSpotに迎えることで、ユーザーが顧客情報の一元管理を実現できるよう後押しすると共に、今後のHubSpotのプラットフォームエコシステムの成長を加速させていくとしていました。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000037724.html
今回、コネクタを追加し同期機能の拡張させ、コンタクト、会社情報以外にも情報が連携できるようになります。
HubSpotに含まれているデータと、3rd-party dataで全体的な属性レポートが作成できます。
機能面と使い勝手をさらに強化します。
外部システムの機能をHubSpot UIに取り込むことで、業務効率と使いやすさをアップさせます。
いかがでしたでしょうか。
今回のセッションは、メッセージ性の強いものでした。詳細な情報が公開され次第、本記事も随時更新していきます!
テレワーク/リモートワークが世界的に浸透している今、オンラインでのマーケティング・営業活動は必須です。CRM機能の拡充、レポート機能のアップデートによる分析から改善施策の立案のスピードアップ、また社内での情報共有のしやすさが期待できるHubSpotは、欠かせないツールになってくるでしょう。