営業やマーケティングを効率化するツールが次々と開発され、製品やサービスを売るための仕組みは洗練されていきました。
では、製品が売れたあとのサポート業務についてはどうでしょうか?
多くの会社では直接収益に繋がっていることが分かりやすい営業や広報を含むマーケティングに投資を惜しまない一方、サポート業務は後回しになっていることが少なくありません。
顧客満足度の重要性はわかっているものの、そのために割ける人員は多くないとお悩みの方のために、HubSpot Service Hubには、少ない人数で手厚いサポートを提供する仕組みが完備されています。
本格的な仕組みづくりをしていなくとも、全くサポートを行なっていないということはないはずです。そのためまずはサポート業務がどのように行われているのかを把握する必要があります。
何から始めればよいでしょうか。
まずはサポート業務担当者に「箇条書きで良いので、現在のカスタマーサポートのプロセスを教えてください」と尋ねてみましょう。
例えば、以下のような感じで書き出せると把握しやすいです。
【サポート業務のプロセス】
1.メールや電話で問い合わせを受ける
↓
2.エクセルやスプレッドシートの表へ問合せ内容を記入する
↓
3.社内で回答できる人に内容を口頭かメールで転送する
↓
4.お客様へ回答する
↓
5.対応表のステータスを変更する
最も重要なことは「現状のプロセスを理解する」ことです。
このように担当者からの回答を書き出して全体を把握することが業務効率化への一歩です。
では現状のプロセスを把握したうえで、次の質問を担当者に質問してみましょう。
①「どのようにお客様からのお問い合わせを管理していますか?」
②「どのようにお問い合わせの対応優先順位付けは行われていますか?」
③「どのようによくある問題/バグ/要望を報告していますか?」
④「誰がこれらの質問への回答責任がありますか?」
①「よくある質問の傾向や分類を把握していますか?」
②「どのように、これらよくある質問に回答していますか?」
③「お客様はそれらの質問の答えを自分で見つけ出す手段を持っていますか?」
④「お客様はそれらの質問の答えを自分で見つけたいと考えていますか?」
①「どのように満足度の高いお客様を見つけ出しますか?」
②「どのように満足度の低いお客様を見つけ出しますか?」
③「満足度の高いお客様のリストをすぐに用意することができますか?」
④「どのようにお客様からのフィードバックを収集していますか?」
⑤「どのようにお客様からのフィードバックを活用していますか?」
これらSTEP1~3の項目全てにサポート業務担当者が自信を持って答えられているのであれば、すでに御社のカスタマーサポートは最適化されつつあると言ってもいいでしょう。
逆にこれらの中で、曖昧な回答や無回答のポイントがあれば、その部分がサポート業務全体の課題となっている可能性があります。
このように、仕組み作りをする前に、まず現状のプロセスを理解した上、どの部分が課題となるかをヒアリングし把握することが重要になります。
では、上記プロセスを元に「効率的に」サポート業務を運用するにはどのようにしていく必要があるでしょうか?
ポイントは、以下の3つです。
「問合せが来たことをなるべく自動的にメンバーに周知・共有する」
「業務の進捗を一目で把握できるように【見える化】する」
「課題と解決した内容をエンドユーザーに共有する」
これら3つのポイントを元に、仕組みを考えると次のようになります。
1.メール、チャット、電話から問い合わせを受ける
↓
2.メッセージツールに集約
↓
3.担当者割り振り
↓
4.担当者へ通知
↓
5.問い合わせ受付メール送信
↓
6.メッセージツールから返信
↓
7.サポートチケットを発行
↓
8.サポートパイプラインでチケットの対応状況を共有(社内みんなで経緯が見れる)
↓
9.社内で連携して問い合わせ内容について対応
↓
10.対応完了通知と同時にフィードバックアンケートを送信
↓
11.フィードバックを集計
↓
12.よくある質問を見つける
↓
13.ナレッジベース化
一見プロセスが増えて業務が増えたように見えてしまいますが、HubSpotでは上記のプロセスに合致した機能が搭載されています。
例えば、
・項目2〜5はHubSpotにより自動化されます。
・項目7〜8はHubSpotのチケット機能を使用することで実現できます。
・項目10はHubSpotのフィードバック機能を使用します。
・項目11〜12はHubSpotが自動で集計しますので、担当者はデータを見て適切な判断を下すことだけに集中できます。
・項目13はHubSpotのナレッジベース機能を使用することで、ブログ記事を書くように検索可能なナレッジベースを構築できます。
上記のように現状のプロセスを把握した上で、効率的にサポート業務を組み立てて、ツールを導入し自動化していくことで、サポート業務に負担なく仕組みを作ることができます。
結果、少ない人数でもサービスデスクとして十分な機能を実現することができます。
今回は、現状のサポート業務の見直しと課題の発見、理想的なサポート業務の流れについてご紹介しました。次回はツールの具体的な導入手順についてご紹介したいと思います。
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