BtoB企業のマーケティング担当者向けに『見込み顧客を生むためのマーケティング実践方法』を具体的に解説する内容となっております。
本記事は、2024年4月9日ウェビナーで配信した内容をブログ化しております。
動画でご視聴されたい方向けに、本ウェビナーのアーカイブ動画もご用意しておりますので、ぜひご視聴ください。
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目次
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実はそのマーケティング活動、成果が上がりません。
一般的にマーケティングと呼ばれるものは、商品やサービスが売れる仕組みを作ることです。
BtoBにおけるマーケティングは、商品やサービスを提供する企業が、購入するお客様のことを理解して 継続的にコミュニケーションを取ることで自社の売り上げに貢献していくことと定義しております。
具体的な違いとしては、「購入するお客様のことを理解して継続的にコミュニケーションを取り続けること」が一般的なマーケティングとは異なる部分になります。
BtoBマーケティングにおいては、まず最初に購入するお客様のことを理解していくことが非常に大切になります。
具体的には、お客様の企業規模はどれくらいなのか。
購入を検討する担当者はどれぐらいの年齢でどのような役職についているのか。
担当者は会社からどのようなことを求められているのかなど、具体的に会社のことを理解していきます。
お客様のことを理解することで、お客様が抱えている具体的な課題や施策を考えやすくすることができます。
そのうえで、継続的にコミュニケーションを取るという具体的な施策を実行するフェーズに移ります。
具体的に進めていくステップについて、4つに分けて今回はご説明していきます。
ステップ1では、まず戦略を決めること。ステップ2で、戦略をもとに施策を決めていくこと。
ステップ3では、施策を実行していくこと。ステップ4では、行った施策に対して振り返り、改善をし、 さらに実行していくこと。こちらを順番に解説していきたいという風に考えております。
まず、ステップ1、戦略を決めるというところのお話になります。
それでは最初に、マーケティング戦略とマーケティング施策の違いについて解説させていただきます。
マーケティング戦略は「市場(顧客)にどうアプローチするか」を、相手のニーズや自社の状況を基に検討し策定することです。一方、マーケティング施策は戦略によって決められた具体的な各施策のことです。
マーケティング戦略が上位、マーケティング施策が下位に位置づけられます。
世の中には3C分析、5フォース分析、STP分析、 PEST分析など、さまざまなフレームワークが存在します。
マーケティングに携わって間もない方は、フレームワークを使って分析していくことは難しいと考えますので、今回は「最低限やっておきたい戦略策定のポイント」に絞ってお話します。
「自社の強みを理解」「競合他社の状況を調査」「ペルソナの策定」「バイヤージャーニーの策定」に絞ってご紹介いたします。
自社の強みを理解する簡単な方法としては「どうやったら自社の商品が売れますか?」というのを周りのメンバーや営業担当者に聞いてみましょう。
その答えの中には、例えば、「他社よりもサポート体制が手厚いことを評価され受注している」「他社と品質は変わらない水準だが、コストが安いので受注している」など、さまざまな理由が出てくると考えられます。
その中で共通して出てくる理由が自社の強みになります。
営業担当者に「受注理由」を確認できると、実際のお客様の声も聞けているということになりますので、さらに精度の高い答えが得られます。
まず、「どうやったら自社の商品が売れますか?」を周りのメンバーや営業担当者に聞いてみるところから始めましょう。
1つ目は、競合他社の内容を把握することで、 実際にどのような取り組みがされているのか、どのような取り組みがトレンドなのか確認することができます。
2つ目は、自社に活かせる施策を情報を収集することで、戦略を決めたあと検討する施策の内容に活かせる材料がないかを探していきます。
1つ目は競合他社をピックアップすることです。
ピックアップの方法としては、自社のサービスに関連するワードで検索すると、競合他社が洗い出されます。具体的には、 例えば重機を販売するような企業の場合、「重機販売」というキーワードで検索します。
部品の修理をするようなサービスを提供している企業の場合、「部品修理企業」などのワードで検索すると、対象の企業がピックアップできます。その他にも、業種と地名で検索をして、 周りにいる競合他社をピックアップするという方法もあります。
2つ目、 競合のマーケティング活動を調べることです。
競合のWebサイトページを訪問して、サービス紹介資料やオファー資料が置かれているのか、 どのようなブログが掲載されているのかを調査していきます。
調査した情報は、エクセルやスプレッドシートなどで一覧化します。
一覧化するメリットは、上司や各メンバーと ディスカッションをしやすくなるというところです。
どのような施策がトレンドか、競合他社がどのような施策をやっているのか、自社に活かせるポイントがあるかなどを上司やメンバーとディスカッションしておくことが大事になってきます。
ペルソナは、性別や年齢などの情報から、 どのような場所で情報収集を行って、どのような仕事をやっているのか、どのような課題を抱えているのかなど、個人的な背景から出てくるような要素全て含めた理想の顧客像のことです。
ペルソナを作っていく方法についてご紹介していきます。大きく分けて3つあります。
1つ目は、ターゲットを明確にすることです。まずは、ペルソナを作成する前に、狙うべきターゲットの業種、企業規模を整理します。すでに自社でターゲットがある場合は修正の必要はあるかまで考慮してターゲットを設定していきます。
2つ目は、顧客像データの情報収集です。自社の中に顧客情報が存在する場合、 商品、サービスとしてよく購入されている方はどのような属性であるか分析できます。
また、既存顧客に対してインタビュー、またはアンケートを活用し、必要とする情報を集めることもできます。
3つ目は、ペルソナの作成です。具体的には、企業項目と人物項目に分けて作成していきます。企業項目は、業種、企業規模を指しています。 人物項目は、名前や部署、役職を指しています。
関連記事:【テンプレ付】BtoBペルソナの作り方とは?注意点と活用メリットを解説
バイヤージャーニーとは、ペルソナがどのようなプロセスを経て決定に進むのかを表したものです。具体的には、自覚ステージ、検討ステージ、決定ステージに分けることで、ユーザーが今どのような状態にあるかを見極めて、それぞれのステージに合わせたきめ細かいアプローチ を決めていくことができます。
自覚ステージは、自身に起こっている問題から課題をなんとなく認識し始めた段階になります。検討ステージは、はっきりとした課題を解決しようと、吟味するための情報を集めている段階になります。決定ステージでは、解決するための方法を決めるために、費用などより具体的な情報を集めている段階です。
バイヤージャーニーの策定方法についてご紹介していきます。
1つ目はバイヤージャーニーのフォーマットを準備していきます。PowerPointや、Googleスライド、もしくはオンラインで活用できるホワイトボード機能がついたmiroなどのツールでも大丈夫です。
2つ目は、各部署のメンバーを集めて、ブレスト形式でバイヤージャーニーを埋めていきます。
ひとりで考えるだけだと煮詰まってきて、考えも偏ったりすることもありますので、各部門のメンバーを集めて、ブレスト形式でまず思いつくものを洗い出し行うことをおすすめします。
3つ目は、ブレストした内容をまとめていきます。重複した内容やディスカッションした結果不要となった項目について削除、整理しバイヤージャーニーをまとめていきます。
ブレストした内容が3つの購買ステージの中のどこに該当するのかを、メンバーの中で認識合わせを行い、完成させていきます。
Step1で決めた戦略に基づいてマーケティング施策を決めていくフェーズになります。
最初に施策の順位の決め方についてご紹介します。
1つ目は、 重要度と緊急度で決めるというものです。重要度は、設定された目標に対して効果が大きいものを重要度高いと定義をさせていただきます。こちらの2つの軸で決めていくことが大切です。
2つ目は、予算が少なくても、比較的簡単に実行できる施策から始めるということです。企業様の中では、マーケティングにかける予算が確保できず、実行できる施策も限られるという声をよくいただくことがあります。その場合は、バイヤージャーニーの中でも決定フェーズに近く、かつ予算が少なくても簡単に実行できる施策から始め、成果を少しずつ出していくことから始めることでも大丈夫です。
重要度と緊急度で決めることについて、もう少し深掘りをしていきます。
合計4分類で評価します。第1領域「緊急でかつ重要であるもの」、第2領域「緊急ではないが重要であるもの」、第3領域「緊急であるが重要でないもの」、第4領域「緊急ではなく重要でもないもの」です。
対応する優先順位としては、 第1領域「緊急でかつ重要であるもの」を優先順位1番として対応していきましょう。
次に対応すべき領域は、第2領域「緊急ではないが重要であるもの」を優先順位2番として実行していきましょう。
例えば、お問い合わせ数の目標を設定している場合、目標未達の状況でしたら、まず緊急でかつ重要な課題である直近のお問い合わせ数を獲得していくことに対して、 広告を出稿するというような施策は第1領域になります。
また、マーケティング担当者の教育をする施策は、緊急ではないですが重要ですので、 第2領域に分類する、というように決めていきます。
今日から始められるマーケティング施策についてもお話させていただきます。
今回は課題ベースで3つの施策をご紹介していきます。
メールマーケティングのA/Bテストの目的は2つあります。
1つ目は開封率向上の観点のテスト、2つ目はクリック率向上の観点のテストになります 。
開封率はメールを開封する率のことを指しておりますが、具体的には、メールの件名や差出人を変更することで成果に変化があり、テストにより改善することが見込めます。
クリック率は「メールを閲覧した人のうち、メール本文にあるリンクや画像をクリックした割合」、 このクリック率を上げる取り組みになります。読み手が詳細を知りたくなるように画像を変更したり、画像の文言だけ変更する、ボタンの色・文言を変更することでA/Bテストが実行可能です。
A/Bテストを実施するだけでなく、結果を振り返り改善し続けることが大切です。
例えば、開封率を向上する目的でA/Bテストを行い、Aの方が良かったという結果が出れば、Aは継続し、違う観点でA/Bテストを行っていきます。繰り返していくことで 精度の高いメールマーケティングをおこなうことができます。
今回は、弊社で利用しているスプレッドシートでの管理方法をご紹介します。
管理項目としては、テスト概要、メールのタイトルや差出人などのテストに関する項目、配信数、開封数、開封率、クリック率などの実績は最低限管理する必要があります。
結果の管理方法としては、 ツールを使う方法もあります。例えば、弊社でも利用しているHubSpotになります。HubSpotは、メールマーケティングの基本的な機能に加え、 A/Bテストを実施することも可能です。
変更前のフォーム項目としては、 名前とメールアドレス、会社名、業種、部署、役職の情報を取得していましたが、 認知ステージ向けのオファー資料であることを踏まえ、まずは見込み客を獲得を優先するため、取得する項目を削減しテストを行いました。
その結果、フォームの操作率が、変更前3.55%が変更後7.46%まで上昇しました。
コンバージョン率についても、変更前2.1%が4.48%まで上昇しました。
フォーム項目の削減による効果が出ましたので、フォーム操作率やコンバージョン率が上がらないという課題をお持ちのお客様はぜひ試してみてください。
弊社では見積依頼やサービスのお問い合わせのフォームを準備しております。この中に営業目的の売り込みが混在することが課題でした。
営業目的のお問い合わせが混在すると、 営業目的でのお問い合わせと、見積依頼・サービスお問い合わせ目的のデータが混在し、 本来集計したい見積依頼・お問い合わせ数の集計に手間がかかります。
対策として、 見積依頼・サービスお問い合わせフォームに「サービス提案、商品紹介、勧誘ではない」というチェック項目を増やしました。
さらに、「パートナー競合のご相談はこちら」という動線を設け、見積依頼・サービスお問い合わせフォームから営業目的のお問い合わせを削減することを目指しました。
その結果、見積依頼・サービスお問い合わせフォームへの営業目的のお問い合わせ数が、対策前と比較して83.3パーセント減少しました。
お問い合わせのフォームの中に営業目的のお問い合わせが混在してお困りの方はぜひお試しください。
振り返りをするにあたっての大切なポイントを3つご紹介します。
1つ目は、施策を実行する前に、自分なりの仮説を持っておくということです。例えば、 メルマガのA/Bテストであれば、差出人を個人名と会社名に分けて送信することを決めた場合、仮説として差出人が個人名だと自分宛にメールが来ている可能性が高いと考え、開封率が上がるのだろうと考えることです。
施策実行前に仮説を立てることで、結果を振り返りする際に、次へのアクションへつなげやすくなります。
2つ目は、成果を可視化するということです。
スプレッドシートで管理している例をご紹介させていただきます。
時系列で管理することで、前月と比較してどうだったのか、施策によってどういう効果が現れたのか一目でわかるようになります。
成果を可視化する方法としては、スプレッドシート以外にも ツールを使う方法もあります。弊社では、HubSpotを用いたダッシュボードを作成しています。
ダッシュボードを使えば、Webサイトのセッション数や、ブログ全体、及び各ブログの閲覧数など確認することができますので、非常に便利なツールとなっております。
3つ目は、自分で立てた仮説が合っているか検証をして、 次へのアクションを検討、実行を繰り返していきます。
先ほどのメルマガのA/Bテストの例であれば、 差出人を個人名に変えたことで、仮説として考えた通り開封率が向上したという結果を得られた場合、次はメールのリンクのクリック率を上げるために画像を2パターン作って検証してみようなど、 次へのアクションを考えることが重要です。
施策を実行、振り返り、改善を繰り返すことで、 成果の最大化を図っていくことが大切です。
ここまでご紹介した施策を進めていくことで、成果が少しずつあがっていくかと思いますが、さらに成果をあげるためには、社内での主体的な行動、巻き込みというところが大切になると考えます。
具体的には2つのポイントがあります。
1つ目は、 予算を増やしていくこと、人員を確保していくことです。予算や人員を増やすために、上司に「予算を増やしたい」、「人員を確保したい」と上申しても、上司が行動することは少ないと考えます。
まず、 担当者としてどのような施策をやりたいのか、いくら予算が必要で、どのような人数・スキルセットを持った人が必要なのかを具体的に試算した上で、マネージャーに上申するようにしましょう。
2つ目は、 成功事例の社内共有です。社内へ成功事例を発信し続けることで、社内でマーケティング活動に対して関心を持っていただく人が少しずつ増えていくと思います。
継続することで、他部署のマネージャーや経営者まで声が届いて、 このように成果改善への取り組みが進められているのであれば、予算を少し増やしてあげよう、人を増やしてあげようということにつながる可能性もあります。
さらなる成果を生むためには、担当者として主体的に動いていくことが非常に重要になってきます。
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