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Webサイト改善点を洗い出す!課題抽出の基本ステップと4つの方法 | BtoBマーケティングならタービン・インタラクティブ

作成者: タービン・インタラクティブ|2024年07月29日

コーポレートサイトやオウンドメディア、自社で運営するWebサイトを改善したいけれど、何をどうすればいいか悩んでいませんか。成果を上げるテコ入れは、改善すべき課題の洗い出しから始まります。
本記事では、Webサイトの課題を洗い出すための手順と、具体的な4つの方法を解説します。

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目次

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Webサイトの課題を洗い出す基本ステップ

Webサイトの問題点を見つける手順は次の3ステップです。

  1. Webサイトを改善する目的の明確化
  2. 目的を達成するための要素と構造の把握
  3. 現状をデータで把握し、課題を見つけ出す

ポイントは、実際のユーザーの行動や傾向を「数値データに基づいて把握」することです。Webサイトの修正は、勘や思いつき、何となくの感覚で場当たり的に行っても効果が出にくく、かえって状況が悪化することも少なくありません。

では、定量的なデータで問題を可視化するステップを詳しく見ていきましょう。

1.Webサイトを改善する目的(KPI)の明確化

そもそも貴社のWebサイトの「目的」は何でしょうか。企業がWebサイトを運営する目的は、自社や商品・サービスの「ブランディング」「認知度の向上」、将来的に顧客になり得る「見込み客(リード)の獲得」、オンライン上での「売上目標の達成」などさまざまです。

目指すべきゴールが明確でなければ、課題を洗い出すことはできません。まずはWebサイトが目指すゴールを今一度確認し、その実現に沿ったKPI(中間的な目標数値)を設置できているか確認しましょう。

例えば、Webサイトの運営目的が「見込み客(リード)の獲得」の場合、「お問い合わせ」「メルマガ登録」「資料請求」などの目標数値がKPIになり、それらを一つずつクリアしていくことで、見込み客の獲得というWebサイトの運営目的を達成していくイメージです。

2.WebサイトのKPI達成のための要素と構造を把握

次に、KPIを達成するための要素を整理しましょう。
Webサイトの運営目的(最終ゴール)達成のためのKPI(中間目標)、そのKPIを達成するための小目標というイメージです。

KPIの達成要素を整理しておくことで、課題解決の施策に優先順位がつけやすく、また施策後の効果を評価する際も参考になります。

例えば、運営目的が「見込み客(リード)の獲得」で、資料請求数をKPIとする場合を例に見てみましょう。

ユーザーに期待するサイト内のアクション

ユーザーに期待する行動パターンは図の通りです。

1.サイトを訪問する
2.商品情報を閲覧し興味を持つ
3.フォームに必要事項を入力
4.資料請求する

Webサイトへ訪問、閲覧して興味を持ち、申込みをする。一連の流れは大変シンプルですが、実際はそうスムーズにいきません。

目標を達成できない問題点はどこにあるのでしょうか。

実際のユーザー行動はもっと複雑

KPIが資料請求数の場合、まず注目すべきなのはアクションに直結する「資料請求ページ」と「申込みフォーム」です。資料請求ページの訪問数自体が少ないならサイト内の遷移が分かりづらいのかもしれませんし、十分な訪問数があるのに申込率が低いなら入力フォームに何らかの問題があることも考えられます。しかし、それだけではありません。

例えば、ユーザーはどのような経路で「資料請求」ページまでアクセスしているのでしょうか。上の図を見ると、サイト内の「会社概要」「事例」ページからの遷移に加えて、自然検索、広告、SNS、Eメールからの流入があります。資料請求ページの訪問数を改善したいならこうした流入経路の分析も効果的でしょう。

このようにWebサイトのボトルネックを探すには、コンバージョンに直結するページだけでなく、サイト全体や流入経路など紐づく要素を広く見ていく必要があります。

また、訪問者の質や状況を推し量る視点も重要です。
PV数が多くても、そもそも訪問者がターゲットとかけ離れていてはWebサイトの運営目的を達成することはできません。さらに、BtoBのターゲットの場合は受注までに時間がかかるケースが多いことも分析を難しくします。比較検討段階のターゲットは何度もサイトを訪問するためPV数は十分にある、しかし、受注やリード獲得という成果にすぐには結びつかない、という状況が起こり得るからです。

リアルなユーザーの行動は非常に複雑で一括りにはできません。だからこそ、一つひとつの関連性と指標を理解したうえで分析することが大切です。

3.Webサイトの現状をデータで把握し、課題点を見つけ出す

最後のステップは、Webサイトの現状をデータで把握し、課題点を見つけ出すことです。
主な方法として次の4つが挙げられます。

  • Webサイトアクセス解析
  • SEO分析
  • 競合サイト分析
  • ユーザビリティテスト、ユーザーインタビュー

簡単に説明すると、「Webサイトアクセス解析」はWebサイトの閲覧状況を把握するもの、「SEO分析」はWebサイトの流入に関する分析、「競合サイト分析」は競合関係にあるWebサイトの分析、「ユーザビリティテスト・ユーザーインタビュー」はユーザーの満足度や意識の調査、となります。

着眼点がそれぞれ違うため全て重要ですが、優先順位をつけるならWebサイトの健康診断ともいえる「Webサイトのアクセス解析」から始めましょう。

では、4つの方法について詳しい内容と主な具体的ツールを紹介します。

Webサイトの課題を洗い出す4つの方法

Webサイトアクセス解析

Webサイトのアクセス解析とは、Webサイトを訪問したユーザーの属性や行動を明らかにするものです。地域や年齢層など訪問者の属性が把握できるうえ、その人がサイト内のどのページをどれくらい閲覧したかといった行動も知ることができます。

Google アナリティクス4(GA4)

アクセス解析ツールとして最もポピュラーなのが、Googleが無料で提供している「Google アナリティクス4(GA4)」です。Google アナリティクス4は、個別に付与されたトラッキングコードをWebサイトに埋め込むことで訪問したユーザーの行動を計測できます。

ユーザーがサイト内のどのページを閲覧したか、また閲覧したページの滞在時間やページ内でのボタンのクリックや動画視聴などの行動も知ることができます。

現在のGoogle アナリティクスはGA4ですが、2023年7月までは旧タイプのユニバーサル アナリティクス(UA)も提供されていました。両者の最大の違いは、ユニバーサルアナリティクスがPV(ページビュー)やセッション単位の計測だったのに対し、GA4ではイベントベースの計測が中心となり、ユーザー単位での詳細な分析ができる点です。

例えば、ユーザーAさんが同じWebサイトにPCとスマートフォンでそれぞれアクセスした場合、旧タイプのユニバーサルアナリティクスでは2人のユーザーのアクセスとして計測されていました。
GA4では「Googleシグナル」のデータ連携を設定すると、GoogleアカウントIDでログインしている場合は同一ユーザーのアクセスとして計測することができます。(広告最適化を許可している場合)

他にも分析レポート機能が充実したり、以前にも増して優れたアクセス解析ツールになっており、Google アナリティクスはWebサイト改善の必須ツールといえます。

関連記事:アクセス解析でわかることとは?サイトの改善点をみつける分析ポイント

ヒートマップツール

ヒートマップツールは、Webページ内でのユーザーの行動を色の濃淡で確認できるツールです。

例えば、ページ内でよく見られている部分が赤色に、あまり見られていない部分が青色に表示されることがあります。クリックされた場所やスクロール状況、離脱ポイントなども色や図形で表されます。通常は数字の羅列で見るようなユーザーの行動データを色や図形で可視化し、直感的に解できるのが特徴です。

SEO分析

SEOは日本語で「検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)」のことで、SEO分析は平たくいえば、Googleなど主要な検索エンジンでWebサイトを検索上位に表示するための対策です。ユーザーは解決したい課題や知りたい情報を求めて検索エンジンにキーワードを入力し、Webサイトにアクセスします。そのため、検索結果のパフォーマンスを改善することは非常に重要です。

Webサイトを検索上位に表示させるには、検索エンジンに優良なサイトとして認知され、評価されなければなりません。それをSEO対策と呼びます。SEO対策は大きく「内部対策」と「外部対策」に分けられます。

◾️内部対策
Webサイト自体の構造や設定を検索エンジンに認知されやすい仕様に整える施策。キーワードをタイトルや本文への配置、内部リンクやmetaタグの設定などサイト構造の最適化、ユーザーエクスペリエンスを高めるための読み込み速度やモバイルフレンドリー対応などがあります。

◾️外部対策
すでに検索エンジンから高い評価を受けている他のWebサイトから質の高い被リンクを増やすことなどで検索エンジンからの信頼性を高め、評価を上げる施策です。SNSやレビューサイトへの掲載もあります。

具体的な施策を検討する前に、まずは自社のWebサイトが検索エンジンにどのように評価されているか、現在の評価状況を把握しましょう。どのキーワードで検索すれば検索上位に表示されるのか、その検索で実際にどのくらいの流入数があるか。狙っているキーワードの検索ボリュームを調べたり、より親和性の高いキーワードを検討することも重要です。

こうした自社サイトのSEO分析は、次のようなツールを活用しておこなうことができます。

Google サーチコンソール (Google Search Console)

Google サーチコンソール(Google Search Console)はGoogleが提供している無料ツールです。Google アナリティクスがユーザーのWebサイト内での行動や反応の解析ツールであるのに対し、Google サーチコンソールはユーザーがWebサイトにたどり着く前のデータを取得できるのが特徴です。

Google検索でユーザーがどのようなキーワードで検索をかけたか、使用された検索キーワードの順位やクリックされた数が分かります。また、自然検索以外の他サイトからのリンク状況や、サイト内の特定のページが検索エンジンに認識されていないといった不具合をチェックすることもできます。

Google キーワードプランナー

Googleキーワードプランナーは、キーワードごとの検索ボリュームや競合性をチェックできる無料ツールです。本来はGoogle広告ユーザーのためのツールですが、検索キーワードのトレンドや需要を調べることができるため、SEO分析でも重宝されています。

「どのキーワードを使えば、どの程度のサイト流入が期待できるか」といった予想ができるため、効率的にキーワードのリサーチができます。

Google ページスピードインサイト(Google PageSpeed Insights)

Google ページスピードインサイトとは、Webページの表示速度をスコアで測定できるGoogleの無料ツールです。測定したいページのURLを入力するだけで表示速度を計測できるので、自社サイトはもちろん競合サイトの速度も簡単に分かります。

ページの表示速度はユーザーの満足度に大きく影響します。あなた自身も何かの情報にアクセスするとき、表示が遅ければすぐに類似の別サイトへ移動しませんか。反対に、表示速度が速いサイトは快適に閲覧できるため滞在時間やPV数が伸びる傾向にあります。ひいては検索エンジンから優良サイトとして評価され、検索順位のランクアップにもつながるわけです。

HubSpot SEO分析ツール

Googleが提供する3つのツールを紹介しましたが、いずれも大変ポピュラーなツールです。もっと他社とは違う観点からのSEO分析で差別化を図るなら、HubSpot(ハブスポット)もおすすめです。

HubSpotは、マーケティング・営業・カスタマーサービスの各部門の業務をつなぐプラットフォームですが、実はSEO改善にも有用です。検索エンジンの推奨事項に基づいてWebサイト内で更新が必要なページを特定し、改善による影響度や技術的難易度を示しながら具体的な対策を提案してくれます。施策後は検索順位の改善状況も確認できるため、施策がやりっぱなしにならず着実に課題をつぶしていけます。

コンテンツ戦略ツールも優秀です。自社とサイト訪問者にとって重要なトピックを見つけ出し、そのトピックの検索順位を上げるサポートをしたり、ユーザーの検索内容やコンテンツ表示順位の詳細なレポートも作成します。

出典:HubSpot

さらに、Google サーチコンソールと連携すれば、インプレッションやクリックスルー率などの測定指標を使って、効果的な要素の確認や改善が必要な部分をあぶり出すこともできます。

いまやGoogle提供のSEO分析ツールは広く浸透し、多くのWebサイト運用者に活用されています。HubSpot(ハブスポット)をはじめ、相性の良いツールを掛け合わせ、頭ひとつ抜けたSEO分析で他サイトに大きく差をつけてみるのも良案です。

関連記事:HubSpot Content Hubとは?マーケティングに強いCMS機能と導入メリットを紹介

競合サイト分析

競合サイト分析とは、競合するWebサイトを分析することで自社サイトの課題を見つける手法です。その「競合するWebサイト」には2パターンがあります。

一つは、いわゆる競合他社、自社と類似する製品・サービスを取り扱う競合企業のWebサイトです。オフラインでの営業やマーケティングと同様に、競合企業がWebサイトをどのように展開しているか、情報の見せ方やアプローチを分析し、自社サイトに活かしましょう。しかし、Webサイトの場合、オフラインでの競合他社だけがライバルとは限りません。

それがもう一つのパターン、コンテンツ戦略・SEO対策における競合サイトです。
SEO対策では検索ボリュームの高いキーワードでWebサイトを上位表示させることを目指します。「検索ボリュームの高いキーワード」は「多くの人が広く多用するワード」であることが多いため、守備範囲が広いのです。そのため、製品・サービスの類似性が低いにもかかわらず、キーワードが重複し、SEOにおける競合サイトになることが起こり得えます。

サイト改善における競合サイト分析では、後者の「コンテンツ戦略・SEO対策における競合サイト」を分析するのが主流です。具体的には、競合サイトが上位に表示される要素を専用ツールなどで解析し、その分析結果を自社サイトのコンテンツ制作に反映させたりします。

関連記事:競合サイト分析とは?重要ポイントと効果的な手法やツールを解説

ユーザビリティテスト、ユーザーインタビュー

Webサイトを実際に利用するユーザーが、サイト改善の重要なヒントを持っている場合も少なくありません。ユーザーのニーズという観点から改善の課題を見つける施策が「ユーザビリティテスト」と「ユーザーインタビュー」です。

どちらも目的はWebサイトのUX(ユーザー体験)を確認するもので、実際のユーザーにWebサイトの閲覧や操作をしてもらい、使い勝手などを評価してもらいます。

ユーザビリティテストは、例えば「サイトのトップ画面から遷移して資料請求まで完了する」などの課題に沿ってユーザーに実際に操作してもらい、使い勝手や分かりにくさなどを都度聞き取っていく手法です。そして、テストを終えた後で「なぜあのタイミングでこのような操作をしたのか」など、より掘り下げて課題を見つけるのがユーザーインタビューと理解すればいいでしょう。

アクセス解析やSEOなど数値データの分析とは違い、ユーザビリティテストとユーザーインタビューではユーザーの生の声を拾い上げるため、数値化できない定性的なニーズを探ることができるのが特徴です。

サイトの課題から打つべき施策の優先順位を整理

ご紹介した4つの方法で改善点がさまざまに浮かび上がってきたら、目指すべき目標と照らし合わせて優先順位を整理しましょう。

優先順位のつけ方は、施策を実施する「改善しやすく・効果が大きい」ものから着手するのが望ましいです。実施する前準備として「成果があがる仮説」「確認すべき指標」「期待する数値・改善率」を整理しておきましょう。チームで取り組む場合は、これらの情報をチーム間で共有することでWeb改善を効率的かつ有効に実施できます。

最後に、施策は実施して終わりではありません。
実施後に数値の変化を確認し、PDCAサイクルをしっかり回していくことが重要であることを覚えておきましょう。