HubSpot Marketing Hubに搭載されている「SEOツール」を使いこなすための前提知識として、前回は「検索エンジンとユーザーの変化編」と題して執筆しました。
今回はその変化によりこれからのコンテンツマーケティングがどうなっていくのか、どう対応していくべきなのかについてご紹介します。
ユーザーの検索行動の変化と検索エンジンの進化を考慮して、マーケターが取るべき行動は「コンテンツ戦略の立て方の見直し」です。特にオーガニック検索からの流入を伸ばそうと考えている場合には特に注意をすべきです。
HubSpotでは、トピック全体を可視化するSEOツールを使用します。従来のような特定のキーワードに注目し、個々のバラバラの投稿の中だけでSEO施策を練る戦略の立て方から、「トピッククラスター」というコンテンツの集合の中でコンテンツを整理し、戦略を立てることができるツールです。「トピッククラスター」を作り、整理してコンテンツを作ることで増え続ける関連キーワードの検索トラフィックを捉えることができます。
また、トピッククラスターを採用することにより、自分たちのブランドを特定のキーワード内だけでなく、複数の検索されやすいトピックの中で認識してもらえるようになります。
HubSpot社を例にあげると、英語で「Inbound Sales」と検索した際に、Google検索のオートコンプリート内で表示されている「Inbound sales day」「Inbound sales certification」「Inbound sales methodology」はいずれも、HubSpotのコンテンツです。さらにHubSpot自身を示す「Inbound sales hubspot」というキーワードも表示されています。
これはHubSpotがバイヤーペルソナが検索するトピックキーワードとブランド名、いずれでも検索できることに成功しているとわかります。このようにトピッククラスターモデルへと移行したことにより、HubSpotは自社の製品に潜在的に興味を示すであろう興味関心度合いの高い訪問者を獲得することができています。
ここで「トピッククラスター」という聞きなれない言葉が出てきました。ここから先はやや専門的な言葉を使用していきますので、一度おさらいしておきましょう。
トピッククラスターとは特定のトピックをコアトピックとして置き、その周辺にコアトピックを捕捉するサブトピックを置いたいわばコンテンツの集合体のことです。
また、コアトピックに対応するコンテンツをピラーコンテンツと呼び、そのコンテンツがブログなどのウェブページタイプである場合、ピラーページと呼びます。サブトピックに対応するコンテンツをクラスターコンテンツと呼び、同様にクラスタートピックページと呼びます。
トピッククラスターモデルを構築するための前提として、このプロセス内で行われることは、さまざまなコアトピックごとの領域にわたって包括的な情報コンテンツを作成し、それを効率的な情報アーキテクチャを作成することだと認識して置きましょう。
難しく聞こえますが、簡単に言い換えるとするならば、ピラーページは特定のトピックの広範な概要です。要約やロードマップとも言い換えることができます。
主要なトピック領域ごとにピラーページを作成したら、概要として浅く触れたサブトピックをより深掘りした内容のクラスタートピックページを作成します。
このクラスタートピックページはピラーページで触れたメイントピックに関連するロングテールキーワードの詳細を提供することに焦点を当てています。
ピラーページは各クラスタページにリンクし、各クラスタページは同じハイパーリンクキーワードでピラーページへリンクバックします。
このモデルの利点は、サイト構造を整理することに加えて、バラバラだったコンテンツたちをクラスター化することによりピラーページだけでなくクラスターページとされている他の全てのページの検索ランキングをあげることができることです。
上の図は先ほどのトピックとサブトピックの枠の中に対応するコンテンツをはめ込んだ様子を表しています。(クラスターコンテンツについては同じ図形で合っても同じコンテンツという訳ではありません。)
このようにウェブサイトのコンテンツをトピッククラスター型に整列させることで、各ページ間の内部リンクをより効率的に管理し、検索順位を向上させ、さらに訪問者にもより良いユーザー体験を提供することができるのです。
次回はより具体的にこのトピッククラスターの構築の仕方についてご紹介いたします。
尚、HubSpot活用についての概要をこちらの記事にまとめていますので、是非ご確認ください。「HubSpotの正しい活用の仕方は?」