みなさま、こんにちは。宮古島オフィスの衣川です。
突然ですがみなさん、牛乳はお好きですか?僕は大好きです!
東京では常に冷蔵庫に牛乳がストックされている生活だったのですが、宮古島に来てからそうもいかなくなりました。なぜなら・・
宮古島の牛乳は高い!量も少ない!から。
その理由を知るべく調べてみたところ、意外な事実が次々と分かってきましたので今回は宮古島の牛乳事情についてお伝えしたいと思います!
紙パックの飲み物は通常、1Lか500mlであることが多いと思います。
しかし、沖縄では違います。
1Lではなく946ml、500mlではなく473mlのものが大半を占めているんです。
なぜそんな中途半端な数字なのか・・?
実はこれ、過去に沖縄がアメリカに統治されていた歴史が関係しています。
アメリカではリットル法ではなくガロン法が広く使用されているため、当時アメリカ統治下にあった沖縄でもガロン法が使用され、1Lに一番近いクォート(1/4ガロン=946ml)、500mlはその半分のパイント(1/8ガロン=473ml)となっているのです。
それが沖縄返還から45年以上経った今でも変わらず残っているため、本土と量の差が生まれているんです。
低脂肪乳や加工乳は200円以下で買うことができますが、成分無調整の牛乳は安くても1パック(946ml)230円以上するので頻繁には買えません。東京では1Lでも100円台で買えていたのに・・・。
ちなみに、成分無調整牛乳とは、しぼったままの生乳を加熱殺菌したもので、水や添加物などが混ぜられていない生乳100%のもの。
生乳100%でも生乳から水分、脂肪分、ミネラルなど、乳成分の一部をとりのぞいて成分を調整した牛乳は、成分調整牛乳や低脂肪牛乳、無脂肪牛乳とされています。
生乳にクリームや脱脂粉乳、バターなどのを乳成分を加え、成分を調整したものは加工乳です。
ちなみに僕は、やはり定番の成分無調整牛乳派です。
しかし、そんな僕にショックな事実が明らかになりました!
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実は今年の1月、宮古島で唯一、酪農牧場を運営していた農事組合法人が酪農事業を廃業してしまったんです。
この牧場が所有していた100頭以上の乳牛もすべて島外へ売却され、島内における酪農事業は終了。今は閑散とした牛舎が残るのみです。
宮古島の牛乳「うしさんありがとう酪農牛乳」も生産を終了してしまいました。
ああ、一度飲んでみたかった・・・。
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この酪農事業の廃業を受け、島内の学校給食は2月以降牛乳が供給できなくなり、沖縄本島から加工乳を移送して供給していました。
しかし、一部の小中学校では牛乳の時に比べて飲み残しが2~3倍増えるといった問題や、船の欠航で加工乳も供給できず、清涼飲料水が出される日もあったそう。
その後、市教育委員会と県畜産課、県学校給食会が調整を図り、4月から沖縄本島で牛乳を確保し、新学期からの学校給食では約2ヶ月ぶりに牛乳が提供されました。
しかし、沖縄本島からの移送に頼らざるを得ないため、台風などの影響で船が長期間欠航した場合は牛乳が入ってきません。通常の牛乳以外にも常温での長期保存が可能なLL(ロングライフ)牛乳を島内に常時2~3日分は確保するとしていますが、島内で酪農事業がなくなった影響は大きいものだと思います。
学校給食で当然のように飲んで来た牛乳。
それが飲めなくなるなんて考えたこともありませんでしたが、宮古島では実際に起こってしまっているんです。
そもそも乳牛は暑さに弱く、夏場は体力を消耗するので沖縄全体で生乳生産が減少してしまうそう。そうなると宮古島への安定的な供給も厳しくなってくるかと思われます。
これから夏本番を迎え、牛乳はどうなってしまうのでしょうか・・。
宮古島には“宮古牛”というブランド牛があり、島内で肉牛はよく見かけるので、まさか乳牛が島外へ売却され、一頭もいなくなっているとは想像もしませんでした。
この写真は肉牛です。
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宮古は農業が盛んだと思っていましたが、島唯一の酪農牧場ですらなくなってしまうという現実。当たり前だと思っていた新鮮な牛乳を子どもたちが飲むこともできなくなるかもしれない。東京出身で、便利な生活が当たり前だった自分が知らない問題が宮古島にはまだまだあることを実感しました。
これからも、楽しい観光地としての宮古島だけじゃなく、東京からの移住者である僕ならではの視点でこうした島の問題にも目を向けてお伝えできたらと思います。
読んでいただきありがとうございました!