みなさまこんにちは。宮古島オフィスの宮国(みやぐに)です。
帰郷してまもなく一年、ようやく生活も落ち着いてきました。
宮古島はこれから夏本番。7月にはサニツ浜カーニバルなど地元のイベントも増えるので楽しみです!
そんな中、僕と同じようにUターンで宮古島に戻り、学校の先生として頑張っている友人のしゅうさんと会うことになりました。せっかくなので仕事のことなどいろいろ聞いてみたいと思い取材をお願いしたところ、快く承諾してくれました。
今回は「宮古島のはたらきごこち~離島の先生編~」ということで、生徒数が減少し続けている離島の学校事情と、そこで奮闘する先生の姿をお伝えしたいと思います。
宮国:
しゅうさんは沖縄本島で小学校の先生をされていたということですが、いつ宮古島へ帰ってきたのですか?
しゅうさん:
今年の3月に戻ってきました。
先生になると、沖縄は離島勤務というのが義務付けられているんです。
他の地域でもよかったのですが、やはり地元である宮古島を選びました。
でも住むところが見つからなくて大変でしたよ。※
※今は宮古島が開発ラッシュで住宅の確保が難しい
宮国:
宮古島で勤務する期間は決まっているんですか?
しゅうさん:
3年間ですね。
延長することもできるんですが、後々決めようと思ってます。
宮国:
なるほど。
ぜひ延長して、長くいて欲しいですね!
宮国:
宮古島で先生をするメリット、デメリットって何かありますか?
しゅうさん:
メリットだと感じるのは、まず都会に比べて子どもたちが外で元気に遊んでいることですね。
休み時間でもみんな汗だくになって遊んでいる。
沖縄本島でもこんなに子どもが元気なのはほとんどみられない光景でした。
僕らが子どものころと同じように遊んでいて、とてもいい環境で育っていると感じています。
宮国:
子どもがのびのび育っている姿を見るのは感慨深いですよね。
しゅうさん:
授業の面でも僕らの頃とは違い各教室にモニターが設置されていて、そこへ授業内容を表示、再生して指導しています。 教育のIT化への取り組みは進んでいますね。
宮国:
そのようですね。僕が勤めているタービン・インタラクティブも、総務省「次世代学校ICT環境」の整備に向けた実証事業として、宮古島の小中学校のIT化のお手伝いをしています。
ところで、モニターを使う授業というのはどんな内容ですか?
しゅうさん:
例えば本の朗読、漢字の書き順、算数だと展開図をアニメーションで見せることができて、とてもわかりやすくなっています。
宮国:
はじめから資料が揃っていると、忙しい先生たちにとっては助かりますね。
しゅうさん:
どの学校でも同じ資料を使っているので、教育のレベルも一定水準を保つことができます。
そういった部分では、現場の教育にもとても役立っていると思いますね。
宮国:
僕たちが生徒のころ、数学の展開図などは先生が厚紙で作ってましたよね。
それに比べると現在の教育現場はずいぶんデジタル化されているんですね。
宮国:
それではデメリットはどうですか?
しゅうさん:
やはり本島と比べて教員数が少ないことですね。
宮国:
先生が少ないことで困ることとは何ですか?
しゅうさん:
先生は授業をする前に予定を立てて、それに沿って授業を進めていくのですが、授業の内容を作るときに相談できる先生が少ないということもあります。
大きい学校だと加配と言って、教科をサポートしてくれる先生が付いてくれるのですが、それがないんです。
そうすると、子どもに目が行き届かないなどのデメリットが出てしまいますね。
宮国:
加配の先生がいないために細かい指導がしにくい、ということですね。
何か解決する方法はあるんですか?
しゅうさん:
先生方が集まって意見を交換するコミュニティがあって、そこで情報交換を行っていますね。
わからないことはそこで聞いて、頼ってみたり。その逆もあるので、お互い協力し合って解決しています。
そうすることで宮古島全体の教育の円滑化にもつながっていると思います。
宮国:
近年、少子化の影響で宮古島市の生徒数が減ってきています。
統廃合が進んで学校数を減らす可能性が出ていますが、そのことについてはどう感じていますか?
しゅうさん:
地元出身としては、ずっと母校が残っていて欲しいという気持ちはあります。
ただ今のままでは、生徒数が多い学校でも少ない学校でも先生の業務量は同じなので、小さい学校に務める先生方に負担がかかってしまう問題もあります。
宮国:
そうなんですね。
僕も地元の高校が廃校になるかもしれないと聞いて、校舎の写真を撮りに行きました。
親しんだ学校がなくなってしまうのは寂しいですよね。