第15回:Web戦略が課題にできないワケ

2009年9月17日

広告マーケティングと企業のWeb戦略に取り組んで15年。

ネット社会の進行とともに、企業のコミュニケーション環境が大きく変化するのを目の当たりにしてきました。3ヶ月前が懐かしく感じるほどに、変化が激しいのがITで加速するコミュニケーションの領域。しかしそんな中でも、頑固に変らないことがあります。それは、「経営層のインターネットに対する課題認識」。担当部署のご苦労が、正しく理解されないという場面にも何度か遭遇したものです。

理由はシンプル。

一般的に経営者には、多くの経験を積まれた50代以上の方が多いからです。優秀なベテラン経営者には、効果的な情報取得や情報共有を伝統的な方法(メディア、専門書、人的ネットワーク等)で高度に習慣化されている方が多く、Webという「セルフサービス」の傾向が強いサービスをわざわざ利用する必要性が少ないのだと考察しています。

しかし、お客様の気持ちがわからなくては、サービス提供側としての判断などできるはずがありません。そこで、ベテラン経営者の皆様には、積極的にWebサービスをご利用くださるようお勧めしています。

ナイキのスニーカーをオンラインショップでオーダーすれば、自分で「デザイン」したオリジナルカラーのスニーカーが2週間足らずで海外の工場から直送されます。どんなシステムと生産ラインで実現しているのかと、思いをはせずにはいられないはずです。

Facebookのアカウントを開設し、遠方や海外に住む旧友を検索して「友達」に登録すれば、彼らの日々の活動や気分が知るともなくわかるようになります。あえて連絡を取り合わなくても数十年のブランクが解消していく感覚には驚きを感じるでしょう。ヤフオクで何か販売してみる、ITMSで音楽を購入してみる、携帯でゲームをダウンロードしてみる・・・「高校生じゃないんだから」と恥ずかしがらずにやってみてくださいとお願いします。

もちろん、、自社のWebサービスを体験していないなど言語道断。自社サイトやブログ、メルマがはもちろん、商品やサービスを購入できるネットショップがあれば、実際に購入して、ユーザー目線でサービスの質を感じることが重要です。

「Webサイト活用は重要な企業課題の1つ」という言葉に実感のない経営層の方は要注意。お取引先やエンドユーザーや社員の皆さんが日常的に使っているWebサービスなるもの、体験しなくては見えないこともあるのです。

(2009/09/16 中部経済新聞掲載)

ページの先頭へ