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第21回:ネットで楽しく走る方法

作成者: タービン・インタラクティブ|2009年10月28日

日曜日、「第2回名古屋アドベンチャーマラソン」に出場してきました。

ハーフマラソンの部にエントリーしたのですが、タイムはさておき、初めての21kmを完走できたのは嬉しい経験でした。今や日本中がランニングブーム。ネットの仕事が中心でスポーツとは縁がなかったのですが、走り始めたきっかけもまた、インターネットでした。

AppleとNikeが展開中の「Nike+」をご存知でしょうか?今ではiPhoneの標準アプリケーションにもなっていますし、日本ではMixiアプリとしても登場しています。スニーカーにセットする小型の加速度センサー(万歩計のようなもの)や、データをiPodで受信するためレシーバー等がAppleから、センサーを埋め込むことのできる特別仕様のスニーカーがNikeから、それぞれ発売されたのは、日本では2006年の年末。いまから約3年前のことです。

音楽を聞きながら走る、というだけでなく、自分のランニング履歴をネット上に記録しながら、世界中の人たちと競争し、目標をクリアして喜び合うという体験は本当に新鮮でした。ランニングに最適な音楽も取り揃えられ、Appleの音楽配信サイトで購入することが可能。楽しく走り終わったらパソコンにiPodを接続すると、計測したランニングデータが、Nikeが運営するNike+のサイトにアップされる仕組みです。

世界中のユーザーが走るたびに同じようにデータをアップすることで、世界最大のランニングデータベースでありコミュニティとなったNike+は、折りしも始まったブログブームと同調して世界中に拡大しました。

現在のランニングブームの出発点です。結果、「孤独で地味でローテク」な印象だったランニングは、「楽しくお洒落でハイテク」に生まれ変わり、莫大な市場を作り出しました。

世界中のランナーがインターネットを活用できる世界、コストや時間に関する基準が大きく異なる世界を基準に、全く新しいサービスとしてデザインされたこのプロジェクト。「走る」という最もプリミティブな活動を大きなビジネスに育ててしまったこの事例は、ブランドやサービス、商品に関する既成概念を大きく覆すものでした。

もはやNike+は当たり前の環境。いつのまにか21kmを楽しく走ることができるようになった自分の事を考えると、本当にすごいなぁと改めて思うのです。

(2009/10/28 中部経済新聞掲載)