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第31回:無料モデルのインパクト

作成者: タービン・インタラクティブ|2010年1月6日

あけましておめでとうございます。

いよいよ2010年、デフレの影響を感じずにはいられない年始だったのではないでしょうか?百貨店の初売りでは、実用品を詰め込んだ「お買い得福袋」が人気を集めたそうです。最近では安い値札を見ると不安になってしまう私のようなタイプには、初売りのバーゲンも素直に楽しむことができないようです。

そんな中、文具売り場で気付いたことがあります。3年、5年が比較できるような、大型の日記帳が減っているような気がするのです。「そうか、非公開のブログを書いていれば、日記帳を買わなくてもいいからかな。」数千円を出して日記帳を買うことに比べ、ブログは無料で利用できます。

データはいくらでも登録できますから、2年前や3年前と比べるのも簡単。日記ユーザーがブログ利用に移行したとしても不思議ではありません。実際には在庫が少なかっただけかもしれませんが、私はそんなユーザー像を思い浮かべてしまいました。

確かにブログサービスは「無料」。インターネットでは、他にも無料をベースにしたビジネスモデルが多いものです。グーグルも無料、ユーチューブも無料、ツイッターもフリッカーも無料で公開されています。

では、どうしてWebサービスはこれほど無料にできるのでしょう?その答えは圧倒的なコスト低減です。
1.サーバコンピュータの処理能力
2.ハードディスクの記憶容量
3.ネット通信インフラの速度
このWebサービスの根幹をなす3つの要素は、毎年劇的にレベルが上がり、同事にコストが下がっています。

結果、「商品や作品を並べる陳列棚」や「顧客データを格納するための本棚」は、「ほぼ無料で」「無限に」利用できるようになりました。「一部の顧客から一定の費用を回収する仕組みのために、他の圧倒的多数には極めて低コストで無料サービスを続けられる。」この前提が、成功しているWebサービスには共通しているように思います。

さあ、みなさんの企業には、ネットを活用して無料でサービスできることは無いでしょうか?それは、競合企業がすでに展開していたり、準備していませんか?

無料のモデルを利用することで顧客は変化し、無料モデルをベースにビジネスは変化してきました。「これまでの業界の既成概念から脱却し、新しいビジネスモデルを構築する。」2010年には、そんな勇気と決断が求められているのだと思います。

(2010/01/06 中部経済新聞掲載)