2004年に開館した「アクア・トトぎふ」は、世界最大級の淡水魚専門水族館。「長良川の源流から河口まで」と、世界の淡水魚を展示しています。メコンオオナマズ、ピラルクーやカピパラなど珍しい生き物が多く、展示・体験イベントも豊富なため、開館以来たくさんのお客様にご来場いただきました。
しかし開館して4年が経ち、"新しい"という話題性が薄れ、少しずつ来館者数の減少傾向が顕著に。そのとき運用していたWebサイトが水族館からの画一的な情報発信で終わってはいないか、という議論が社内で出たのです。
「アクア・トトぎふ」の良さは、お客様と同じ目線でふれあう人間的な温かみ。そうした魅力を充分に発信することで、来館者を増やすとともに「アクア・トトぎふ」ファンを育てていきたい。そんなご相談をタービンさんにしたのがおつきあいのきっかけです。
タービンさんのご提案には、「Webサイトを見た方が実際に来館するための仕掛け」が施されていました。デザイン性はもちろんのこと、マーケティング戦略の提案に優れ、CMS(コンテンツマネジメントシステム)など自分たちが更新する際の使い勝手の良さも考えられた提案でしたね。論理的であり、それがWebサイトできちんと表現されていたため、企画に説得力がありました。
「アクア・トトぎふ」を見学していただいた上での提案で、「アクア・トトぎふ」の特徴をうまく強みとして反映していただけたと思っています。社内で提案書を共有する必要があるため、その説明資料としても、活用させていただきました。
岐阜県世界淡水魚園水族館(アクア・トトぎふ)
営業部 企画広報チーム
北川律之様
子どもから大人まで、閲覧者目線で「アクア・トトぎふ」の楽しみ方を提案するWebサイト。
中でもスタッフが魚の生態について活き活きと語る「おもしろ飼育日記」は大人気のコンテンツ。
情報の更新頻度が高く、訪問するたびに新しい発見があるためリニューアル以後、ファンを増やし続けている。
リニューアルには3つのポイントがありました。来館者別の体験プラン提示、写真の積極的な使用と、スタッフによる魅力的な情報発信です。「アクア・トトぎふ」をWeb上で体験していただければ来場につながるはず、という意見をいただき、それを基本コンセプトとして、徹底的な来館者目線でコンテンツ開発、全体設計を進めていただきました。
まず、「アクア・トトぎふ」の来館者のセグメントからスタート。実際の来館者とWebサイト診断による検索キーワードの抽出から、「ヤングファミリー」「カップル」「熟年」「魚のマニア」という4つの来館者像を決定しました。
水族館の楽しみ方は、お客様の層によって異なります。そのため、それぞれの方々に対して、"「アクア・トトぎふ」は、どう楽しめる場所なのか?"を、体験記として掲載。よりリアルなイメージを持っていただくことを心がけました。
続いて、写真の積極的な使用。体験記も同様ですが、水族館としては、"すべてを見せることで、Webサイトの閲覧者が来館せずに満足してしまわないか"という不安があったことは事実です。しかし、来館者を増やすための「体験していただく」という明確な基本コンセプトがあったからこそ、思い切って写真を多用することにしました。
さらに、もともとあったスタッフによる日記コンテンツ「おもしろ飼育日記」をよりパワーアップ。テーマごとにカテゴリーに分けたり、注目のキーワードで探せるようにしたりするなど閲覧者の興味によって自由に記事を閲覧できるように工夫しました。それによって「Webサイトの記事を見て来たよ!」とお客様に声をかけていただくことも増え、手応えを感じています。
リニューアルの結果は、驚くべきものでした。「アクア・トトぎふ」のみならず多くの水族館が集客力の低下にあえぐなか、Webサイトをリニューアルした 2008年の夏休み来館者数が前年比114%に。それだけでは終わらず、2009年も、さらに夏休み来館者数が前年比大幅増に。Webサイトをうまく活用してイベントや最新情報を効果的に告知できたことが、来館者数を増やすことができた一つの要因と考えています。
また、せっかくWebサイトに来ていただいても2ページ目を見ないで帰ってしまういわゆる「直帰率」が、約50%から28.4%にまでなりました。これはコンテンツが閲覧者にとって魅力に映っていることの表れでしょう。ブログやメルマガについても、記載した生き物の質問が増えたり、お手紙をいただいたりと、お客様に喜んでいただけていることが実感できています。
このような効果を改めて考えると、「閲覧者が使いやすく、閲覧者にとって魅力のあるコンテンツの企画と演出」は、さすがWeb制作で多くの実績のある会社だと感じますね。「スタッフの"生き物の魅力を伝えたい!"という気持ちを反映させたコンテンツづくり」にも満足しています。リニューアル後の更新のしやすさは、やはり大切ですから。「Webサイトを確実に運営するオリジナルの更新管理システムの開発と実装ができる」という点も、リニューアル後に安心してお任せしている理由のひとつです。
タービンさんと仕事をさせていただいて、"Webサイトには可能性がある"と実感しています。現在は、気軽に"つぶやき"を投稿できるツイッターに挑戦中。またブログ「おもしろ飼育日記」に映像を載せるなど、社内の意識も変化しています。リニューアルによって、お客様の声を聞けるWebサイトになったため、それをうまく活かすことが、私たちの今後の課題ですね。
タービンさんには、リニューアルの工程で何度も質問させていただきました。それに対して、Webサイトの専門家ではない私たちにわかりやすい言葉で丁寧にお答えくださり、安心してリニューアルに臨めたことが印象に残っています。
今後もタービンさんに助言や提案をいただきながら、多くの来館につながるサイト、よりお客様に喜んでいただけるサイトを目指していきたいと考えています。
株式会社アルカンシエル様
「アルカンシエルグループ」
アイシン精機株式会社様
「アイシンコムセンター」
株式会社サカタのタネ様
「タネ・苗・園芸用品・農業資材の総合案内サイト」
財団法人徳川黎明会様
「徳川美術館」