「御社サイトのメタディスクリプションについてなんですが・・」
皆さんはサイト構築プロジェクトの途中で、こんな台詞をWeb制作会社のディレクターから聞いたことはありませんか?
このメタディスクリプション、現在検索エンジンからはページの検索順位に影響する要素として見なされていないものの、インバウンドマーケティングにおいて大変重要な役割を持っています。
それはなぜでしょう?
今回はメタディスクリプションについて、その役割から効果的な記述の方法まで解説したいと思います。
メタディスクリプション(meta description)とは「Webページの内容の簡潔な説明を提供するHTML属性」のことです。
いまひとつピンと来ない方のために、もう少し分かりやすく説明してみましょう。
Google(検索エンジン)で何かのキーワードを入力して検索すると、そのキーワードに合致するサイトのリストが表示されますよね。
メタディスクリプションは、個々の検索結果のタイトル下に書かれている数行の文章のことで、多くの場合「そのページの要約・抜粋」という役割を果たします。
下の画像をご覧ください。赤枠で囲まれた部分がメタディスクリプションです。↓
ご覧の通り基本的にメタディスクリプションは、検索ユーザーがそのサイトへのリンクをクリックするかどうかの判断材料になります。
つまり、メタディスクリプションは「このサイトはあなたにとって見る価値がありますよ!」とユーザーを説得する役割を持つわけです。
ちなみにメタディスクリプション内で太字で表示された文字は、検索に使われたキーワードを示しています。
以上がメタディスクリプションの説明です。
とても簡単ですよね。
では「メタディスクリプションは本当に必要なものなのか?」という問いに移りましょう。
答えは「Yes」で、その理由は3つあります。
(1)クリック率を上げる&自然検索からの流入が増える
皆さんご存知のように、検索結果の表示が下位になればなるほど、ページのクリック率は落ちていきます。
ページの順位が高いほど検索結果では上の方に表示され、その結果として更に多くのアクセスを獲得できますし、順位が低いとそもそもユーザーの目に触れることもありません。
ここで重要になるのが、詳細な内容記述があり、検索キーワードとの関連性を持っている、ユーザーの目を引くメタディスクリプションの機能なのです。
メタディスクリプションの質がよければ、それを目にしたユーザーのクリック率が上がる可能性が増えるのです。
(2)ソーシャルメディアからの流入を増やす
Facebookのようなソーシャルメディアでは、記事をシェアする際にその記事の抜粋が用いられます。
もしメタディスクリプションがないと、ソーシャルメディアはその記事の冒頭文を表示するだけに留まってしまいます。
記事の最初の文章を読んでもらうだけでは、ソーシャルメディアを通してあなたのサイトにアクセスしてくれるよう促す集客力は生まれません。
(3)コンテンツを売り込むのに有効である
メタディスクリプションはそれ単体ではページ順位を上げてくれるものではありません。
しかしながらその付随効果――しっかり書かれたメタディスクリプションは、それを読んだ人のクリック率を上げ、滞在時間を高めることが証明されており、そしてそれらの要因が結果としてページのランキングを高める一助になってくれるのです。
さて、そんなメタディスクリプションですが、書くために守るべき原則があります。
以下に見ていきましょう。
(1)魅力的な文章にする
効果的なメタディスクリプションには2つの種類があります。
1つは、コンテンツの包括的な「抜粋文」、
もう1つは、検索ユーザーにそれを読みたいと思わせるような「説得文」です。
見てもらいたいページを、価値があり貴重なコンテンツだとユーザーに売り込む何よりのチャンス、それがメタディスクリプションの文章なのです。
ユーザーに「このページをクリックして読むのは有益だ」と思わせる明確なメリットを盛り込みましょう。
(2)1~2つの検索キーワードを盛り込む
タイトルとメタディスクリプションには、そのページの内容に関わる重要なキーワードを1〜2つ含めましょう。
それによりGoogle(検索エンジン)はそのページの内容を理解し、キーワードに応じてページをインデックスしてくれます。
ちなみにメタディスクリプションは、そのページ固有の文章にするのが理想的です。似たような内容だからといって他のページと全く同じメタディスクリプションにするのはなるべく避けましょう。
(3)全角120字内を目安に
Googleは文字数を計測しておらず、表示できるメタディスクリプションの文字数は文章の横幅で決まります。
日本語だと、全角120字以内が表示できるメタディスクリプションの目安です。
なるべくこの字数以内に収めましょう。
(4)キーワードの重複を避ける
同じキーワードやフレーズを何度も用いるのは好ましくありません。
「Web業界におけるWeb制作をWeb制作という観点からWeb制作するWeb制作企業です」などという文章はユーザーに何ら利益をもたらさないばかりか、Googleやユーザーに「キーワード詰め込み」スパム(迷惑行為)と見なされる恐れがあるからです。
(5)記号・特殊文字を使わない
検索エンジンはハイフン(-)やプラス(+)引用符("")などの記号を、文章ではなくHTMLコードとして認識してしまいます。
メタディスクリプションにもし引用が使われたら、Googleはその記述部分をカットしてしまいます。
こういったことを避けるために、メタディスクリプションには英数字と文字以外の記号は使わないようにしましょう。
(6)重要な要素だと認識する
メタディスクリプションはユーザーが訪れたページ内に本文として表示されるわけではないので、簡単に見落とされがちです。
しかし、Google(検索エンジン)の結果ページに表示された高品質なメタディスクリプションは、長い目で見るとそのページへのアクセスを質・量ともに確実に増やしてくれる大変重要なものなのです。
さて、これまで「メタディスクリプションは重要である」ということについて述べてきました。ですが、「いちいちメタディスクリプションを記述しなくともよい」場合があることも最後に触れておきたいと思います。
それはどんな場合でしょうか?
そのページが3つ以上の(集客を見込んでいる)重要キーワードを含んでいる場合には、メタディスクリプションを記述する必要はありません。検索エンジンがユーザーの検索キーワードに合致したページ内のキーワードとその周辺のフレーズを自動で拾い集めて「メタディスクリプションとして」表示してくれるからです。
もしサイト運営者が固定のメタディスクリプションを記述してしまうと、検索エンジンが自然に作ってくれる「検索キーワードと関連性の高い抜粋文」をわざわざ捨てることになってしまいます。
特に、ページ内の多くのキーワードでアクセスを集めたいと考えている場合、メタディスクリプションにあれもこれもとキーワードを詰め込むより、自動抜粋に任せた方がシンプルかつ効果的です。検索エンジンに任せてしまいましょう。
また、Webサイト制作・リニューアルを成功させるためのチェックリスト10をこちらの記事にまとめていますので、合わせてご覧ください。
「Webサイト制作を成功させるためのチェックリスト10」