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マーケティング初心者必見!「リード」の意味から獲得方法まで分かりやすく解説

作成者: タービン・インタラクティブ|2023年04月24日

マーケティングや営業に携わっている人であれば、必ず目にする言葉が「リード」です。リードを理解すれば、マーケティングから営業までの顧客の流れを大づかみにつかんだと言えるでしょう。

しかし、その一方で英語が由来になっていることもあり、日本人にとっては実感として把握しづらい概念のひとつでもあります。今回は、この「リード」に焦点を当ててBtoBマーケティングの全体像を紐解き、リードの獲得方法から活用までをご説明します。

リード=見込み客。では見込み客とは?

リードとは「見込み客」である、と知っている人は多いことでしょう。それでは、「見込み客」とは何のことでしょうか。

一般的に、リード=見込み客とは、すでに商品を購入してくれた顧客(これが「Customer」です)以前の状態を定義した言葉です。英単語の「Lead」には「糸口、きっかけ」の意味がありますが、マーケティング用語における「リード」も「(購買へ至る)糸口」と考えるのがよいでしょう。

アメリカのリサーチ会社SeriusDecisions(現Forrester Research)は、案件発掘から受注までをファネルに見立てたデマンドウォーターフォール (Demand Waterfall)モデルを提唱し、BtoBマーケティングにおけるリードやアプローチのフレームワークを広めました。マーケティング段階だけでも「Automation Qualified Leads (AQLs)」「Teleprospecting Accepted Leads (TALs)」「Teleprospecting Qualified Leads (TQLs)」「Teleprospecting Generated Leads (TGLs)」の4種類、営業段階では「Sales Generated Leads (SGLs)」「Sales Accepted Leads (SALs)」「Sales Qualified Leads (SQLs)」の3種類のリード概念を提唱しています。

参考:The Rearchitected Demand Waterfall

要するにどのようなプロセスを経てマーケティングや営業へやってきたリードなのかによって、さまざまな名称がついているということです。ある会社の取り扱う商品に対して何らかの興味を持ち、最終的に成約(購買)へ至るまでのプロセスにいる「顧客候補」すべてがリード=見込み客なのです。

リードの意味を知ることはマーケティング~営業のプロセスを知ること

リードを理解するためには、ただ「リード=見込み客」と英単語のように語義だけを知ればよいわけではありません。マーケティングから営業までの業務フロー、言い換えれば集客から成約に至るまでのプロセス全体を理解する必要があります。全体像に対する理解の裏付けがあってこそのリード概念です。

先ほどのデマンドウォーターフォールは、大きく4つのフェーズで構成されています。

  1. Inquiry:展示会や広告での接触、製品・サービスに興味を持ちホワイトペーパーダウンロードなどを行ったリード自身の情報(社名や部署など)をある程度獲得している段階です。
  2. MQL(Marketing Qualified Lead ):Inquiryでつながったリードに対して、マーケティング部門が対応する段階のリードを指します。収集した情報から関心度の高さなどでリードを精査・分類し、育成します。営業部門へ引き渡す前までの段階です。
  3. SQL(Sales Qualification):マーケティング部門から引き継いだリードを営業部門が対応する段階のリードです。すでに購入の意思が固まっている、導入までの具体的なスケジュールが決まっているなどリードの関心が非常に高まっている段階です。
  4. Close:商談などを終え、契約を取り交わす段階のリードを指します。提案した案件が受注に至る段階です。

前述の通り、何かしらの関心を持って入ってきた段階から、最終的に成約に至るまでの全プロセスにいる顧客候補がリードと呼ばれます。それぞれのプロセスでどのようにリードの興味・関心を喚起し、商談につなげて成約しようとしているか、会社のマーケティング戦略および営業戦略を知ることです。

そもそもBtoBマーケティングにおいては、ふらっとコンビニに立ち寄った客が何となくレジの横に置かれたおでんを買っていくような購買行動はほとんど発生しません。購入単価が大きいために、慎重に時間をかけて吟味する傾向にあります。売る立場からすると、何かしらのニーズを創出し、それを「育成」し、営業しやすくするのが「マーケティング」と言えます。

このマーケティング活動のプロセスを、「デマンドジェネレーション」と呼んでいます。

マーケティングには3つの役割がある

デマンドジェネレーションとは、日本語にすると「案件創出」となるでしょうか。集客し、リードに情報を提供して興味・関心を引き出し、一定段階で営業に引き渡す。このプロセス全体がデマンドジェネレーションです。

デマンドジェネレーションのプロセスは、一般的に「リードジェネレーション」「リードナーチャリング」「リードクオリフィケーション」と呼ばれます。3つのプロセスで成立していることになります。

・リードジェネレーション

リードジェネレーションとは「獲得」のことです。展示会やセミナー、自社コーポレートサイトでの資料ダウンロードやお問い合わせなどを通じて、リードの情報(社名、個人名、住所、電話番号、メールアドレスなど)を入手する段階に当たります。

・リードナーチャリング

リードナーチャリングとは「育成」と呼ばれます。日本語にすると少し違和感のある表現ですが、要するにリードに対して商品の知識や効果、使用事例などを情報提供し、商品への興味・関心を引き出す=育成する段階のことです。具体的な方法としては、メルマガやクローズドなセミナー、自社コーポレートサイトの各種コンテンツなどが挙げられます。
関連記事:目的によって使い分け!リード育成プロセスで使う3つのEメール手法

・リードクオリフィケーション

リードクオリフィケーションは「選別」と呼ばれます。一定以上の興味・関心がありそうな人を選んで、「フォローしてくれ」と営業に渡す段階です。
そもそも、集まったリードをそのまま営業に「フォローしてくれ」と渡しても、営業としては困ってしまいます。数が多すぎてフォローしきれなかったり、商品にそれほど関心のないリードが混じっていたりするからです(上司に言われてただセミナーに出席しただけ、という人に商談を迫っても意味がありませんよね)。したがって、マーケティング側である程度リードを選別し、商談すると意味がありそうなものだけを営業に引き渡すわけです。これがリードクオリフィケーションとなります。
以上を踏まえると、一口に「リード」と言っても、その興味・関心によって質が大きく異なることが分かります。セミナーに(特別な興味もなく)出席しただけの「リード」と、ぜひ営業の話を聞きたいと前のめりな「リード」とは、同じリードと言ってもほとんど別ものなのです。

BtoBマーケティングで有効なリード獲得方法

では、デマンドウォーターフォールのひとつ目のフェーズ、Inquiry(リードの集客)で行われる具体的な施策を見てみましょう。リード獲得の施策は大きく2つに分けられます。企業側から能動的にアプローチを仕掛ける「アウトバウンド」型と、リードに自社の製品・サービスを見つけやすくする「インバウンド」型の施策です。

・アウトバウンド

アウトバウンド型は、企業側からアプローチする手法です。イベントや展示会への出展、Web媒体や紙媒体などへの広告出稿、テレマーケティング、DMなどが当てはまります。
例えば、展示会なら開催テーマに関心のある人、Web広告なら属性や関連ワードを検索した人などターゲットをある程度絞りながらも製品・サービスを広くアピールできます。他方、今後ねらいたいエンタープライズ企業や、自社製品と相性がいい業種へのアタックなど、テレマーケティングなどで欲しいリード層を開拓することもできます。
ただし、近年はインターネットの普及によってWeb上で多くの情報を得られるようになったため、認知度を上げるアウトバウンド型の施策だけを行っても成約まで導くのは難しい状況になっています。

・インバウンド

インバウンド型は、情報を探しているリードに向けて自社の製品・サービスを見つけてもらいやすくする施策です。オウンドメディアの運営、メルマガ配信、セミナー・ウェビナーの開催、資料ダウンロード、SNSの発信などがインバウンド型にあたります。有益な情報を継続的に発信することで、リード側からお問い合わせをしやすくする取り組みです。
リードからのアクションを待つ施策のため時間はかかりますが、より関心の高いリードを集められる施策といえます。また、アウトバウンド型に比べて「低コスト」で「持続的に」運用できる点も特長です。
アウトバウンド型とインバウンド型はそれぞれメリット・デメリットがあるので、両方を組み合わせた複数の施策でリード獲得をおこなう企業が増えています。

リードの定義をはっきりさせよう

ここまでご説明してきたように、リードという言葉の持つ意味はあまりに大きいものがあります。したがって、実際のビジネスの場では「リード」の言葉が何を指し示しているのか、関係者間ではっきりさせる必要があると言えるでしょう。

先にご紹介したSeriusDesicionsは、リードを「Automation Qualified Leads (AQLs)」「Teleprospecting Accepted Leads (TALs)」など7種類に分類していましたね。しかし、業種や企業によって「Sales Accepted Leads (SALs)」「Sales Qualified Leads (SQLs)」が同じものとして扱われていたり、あるいは「Marketing Qualified Leads(MQLs)」なるリード概念があったりと、さまざまな用法が存在しています。

したがって、企業のマーケティング部門で働いたり、他社のマーケターと仕事をしたりする際は、リード概念が何を意味しているのか注意を払う必要があります。リード概念を互いに共有できていないと、一見コミュニケーションが成り立っていたように見える打ち合わせで深刻な誤解が生じることもあるのです。

だからこそ、マーケティングから営業までの業務フロー、言い換えればリードの各プロセスの全体像を理解する必要があります。その企業でどのようなマーケティング活動が行われ、どのような形で営業に引き渡され、どのように営業が商談へつなげているのか(営業にも「インサイドセールス」と「セールス」など複数の種類があります)……一見遠回りですが、まずは業務フロー全体を理解することが、かえって早く深くその会社の「リード」の意味を理解することにつながります。 

リード管理を整えることでマーケティング~営業活動を最適化

最後に、もうひとつ理解しておきたい重要ポイントが「リードの管理」です。
先述の通り、BtoBマーケティングでは個人消費のような“衝動買い”がほぼ発生しません。ほとんどの企業は価格によって決裁者が異なり、意思決定プロセスにも多くの人が関わります。そのため、受注に至るまで長い時間を要するのが一般的です。このリードの検討期間中に何をして、何をしないか。その最適解を導き出すカギとなるのが「リードの管理」です。属性などの基本情報はもとより、行動履歴やリアクションを把握して“温度感”をはかり、それを部内で共有する管理システムを整えましょう。
このリード管理に活用されているのが、MA(Marketing Automation)とSFA(Sales Force Automation)と呼ばれる2つの管理ツールです。

・MA(Marketing Automation)

MAはマーケティング活動の全般と、営業活動の一部を自動化するためのツールです。様々な施策で収集したリード情報を一元管理するツールで、関心レベルでリードを精査・分類したり、それに応じてメール配信やコンテンツ誘導などをおこなうこともできます。また、こちらからのアクションだけでなく、リードが自社コーポレートサイトにいつ、どのページにアクセスしたかの行動履歴や、広告施策へのリアクション、配信したメルマガの開封状況などを追うことも可能です。

・SFA(Sales Force Automation)

SFAは営業部門をサポートするためのツールです。
MA同様にリードの基本情報や行動履歴を管理できますが、SFAはこれに加えて営業活動における案件ごとのアプローチの履歴や進捗状況などの「案件管理」、また個々の営業担当者の訪問履歴や受注率などを記録する「行動管理」もおこなうことができます。

MAとSFAに共通する強みは、情報の「可視化」と「共有」です。
どのような属性のリードが、いつどんなアクションを起こし、こちらからどのようなアプローチや営業活動を実施したかを見える化し、部内で共有することでリードの育成や営業活動を効率化できます。もし、リード情報を自作のエクセルなどで担当者個人が管理していたら、情報共有が叶わず、認識のズレから不要のトラブルが起こったり、1人の担当者の辞職で多数のリード情報を失うこともあるでしょう。そもそも担当者が個人で膨大なリード情報を正確かつ最適な状態で管理するのは限界があるはずです。

どのフェーズにいるどんなリードが、自社のどの製品・サービスに対して、今どのくらいの関心を持っているか。良質で鮮度の高いリード情報を把握し共有化することで、今とるべきコミュニケーションの最適解を導き出すことができるのです。

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