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競合サイト分析とは?重要ポイントと効果的な手法やツールを解説 | BtoBマーケティングならタービン・インタラクティブ

作成者: タービン・インタラクティブ|2024年08月09日

BtoBマーケティングの成功の鍵となるのが競合との差別化です。
今回は、企業のWebサイト運営やはじめてサイトリニューアルに関わる方に向けて、Webサイトの差別化と効果的な運営に必要な競合サイトの分析についてご紹介します。メリットや競合サイトの見つけ方、分析ツールをチェックしましょう。

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目次

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競合サイト分析の目的とメリット

BtoB企業のWebサイトは、自社の製品・サービスを検討するユーザーへ情報提供し、集客をおこなうための営業ツールです。いかにユーザーの目に止まり、その後の営業活動へつなげられるかがポイントになります。

そのためにも、Webサイトの立ち上げやリニューアルの際は、競合サイト分析によるSEO対策とコンテンツ設計が重要です。まずはその目的とメリットを確認しましょう。

目的:自社Webサイトの改善点や差別化ポイントの把握

適切なターゲットの自社サイト流入を増加させるためには、ユーザーニーズや検索意図を把握したコンテンツ戦略やSEO対策が必要です。競合サイト分析はそのための戦略のヒントとなります。

メリット:見込み客と信頼関係を構築できる

ユーザーにとって価値あるコンテンツを提供することは、見込み客に対する早期アプローチにつながります。自社サイトと競合サイトを比較し、競合の方が優れている点や成功している点があれば取り入れましょう。

重要!自社のライバルとなる競合サイトとは

Webサイト運営では、事業上の競合企業のWebサイトだけが競合サイトとは限りません。どこを競合サイトとして定めるかが、競合サイト分析の重要な第一歩です。

製品・サービスなど「事業上の競合サイト」

事業上の競合であるWebサイトのコンテンツ戦略をチェックするのは基本です。
顧客から自社と比較したことがある企業をヒアリングしたり、主要なキーワードで上位表示される競合他社を分析しましょう。競合他社のWebサイトに社名や製品名以外のキーワードで流入があれば、自社のWebサイトにも応用できる可能性があります。

SEO改善に必要な「検索結果の競合サイト」

SEO対策という視点では、「自社が重要視しているキーワード」に対する競合サイトが重要です。上位表示の獲得という点で、検索キーワードが自社のWebサイトと重なる場合、扱う商材や業界、事業が違っていても競合サイトとして見ることができます。

例えば、オフィスで使われている複合機メーカーの場合、競合メーカーのみでなく「複合機 おすすめ」「複合機 業務用」といった検索ワードで上位に出てくるリース業者のサイトも競合サイトになります。

ユーザーの検討フェーズに合わせ動的に選定する

競合サイトを選定する際は、ユーザーの検討段階に連動して競合サイトが変わっていくことも押さえておきましょう。

◾️認知フェーズ
ユーザーが問題やニーズに気づく段階です。これまで言語化されていなかった課題に気づいたり、漠然とした悩みを認識し出すフェーズです。
一般的な業界動向や課題に関する情報提供をしているWebサイト・メディアが競合となります。

◾️興味・関心フェーズ
課題解決のためにどのような手法があるか、ユーザーが模索しはじめる段階です。
例えば、新規顧客を増やす解決策として「展示会出展」や「SEO改善」などの施策も考えられますし、そもそもの「営業リソース不足への対策」も考えられます。企業担当者は、自社の課題を解決できる手段を探しながら、当初想定していた内容より本質的な課題を見つけたり、短期的・中長期的な解決策を模索したりするのです。
お役立ち情報、ウェビナーやホワイトペーパーを提供しているWebサイト・メディアが競合となります。

◾️比較・検討フェーズ
ユーザーが自社の課題解決の手法を絞り込んでいく段階です。課題解決の手法やツールについての比較や機能を掲載しているWebサイトが競合となるため、このフェーズから事業競合がSEO上でも競合となってきます。
また各社の商品・サービスを比較した記事もSEO上では競合となる可能性があります。

◾️行動フェーズ
企業担当者が、商品やサービスの問い合わせや成約など意思決定をおこなう段階です。この頃から、直接営業とコンタクトをとることも増えますが、事業上の競合他社が競合となるため、Webサイト上で提供するコンテンツ戦略も重要です。
価格やアフターフォロー、レビューなど、直接コンタクトを取る決め手になる情報提示があるWebサイトも競合です。

ユーザーの欲しい情報は、段階が進むにつれて具体的なものになります。それに従い、競合となる商品・サービスもどんどん絞り込まれていくことを意識しましょう。

キーワード設計の注意点

自社が狙うキーワードが、ビッククエリと呼ばれる検索数の多いもの、または数多くの大手サイトが上位に食い込んでくる競争が激しいキーワードという場合もあります。厳しい場合は競合サイトの上位キーワードだけでなく、まだ入り込む余地があるミドルキーワードもチェックしましょう。

ペルソナ設計でキーワードを漏れなく設定しよう

コンテンツマーケティングではペルソナ設計が非常に大切です。自社のWebサイトに訪問してほしいターゲット像を具体的にしましょう。名前、年齢、役職、抱えているプロジェクトなど詳細まで設定することで、ユーザーが求めるコンテンツが具体的にイメージできます。

ペルソナは場合によって複数設計することもあります。ターゲットがどんな人物かを絞り込むことで、抱えている課題や興味に関するキーワードの競合サイトも見つけやすくなるでしょう。

関連記事:【テンプレ付】BtoBペルソナの作り方とは?注意点と活用メリットを解説

競合サイト分析で確認すべき主な指標

競合サイト分析をする際には、確認すべき指標として以下のポイントを押さえておくと効率的です。

  • アクセス数
  • 流入キーワード
  • 上位表示ページ
  • 流入経路・リファラー
  • 被リンク

ここでは、それぞれの指標がどのようなものか、また分析することで何が得られるのかを説明していきます。

アクセス数

まず確認したいのがアクセス数です。競合サイトにどのくらいの流入があるのか、流入数が自社よりも多いのか、少ないのかを調べます。ただ、事業上の競合1番手がSEO上でも競合1番手になるとは限りません。事業規模とWebサイトの流入数は必ずしも一致しないため、両者を区別して考えましょう。

流入キーワード

ユーザーが競合サイトへアクセスしているキーワードを調べます。また、自社が狙っているキーワードも、競合サイトにユーザーがどれくらい流入しているか確認しましょう。競合サイトへのユーザーの流入が多いキーワードは、自社のWebサイトでもユーザーを獲得できる可能性があります。

キーワードを調べれば、競合が狙っているターゲットやコンテンツ戦略も見えてきます。ただし、完全模倣では差別化ができないので、優れた部分を参考にして差別化を図りましょう。

上位表示ページ

競合サイトで上位表示されているページをチェックすることも大切です。検索結果で競合サイトのページが上位に表示されていれば、そのページにはユーザーにとって役立つ情報が掲載されていると考えられます。
ページの構成や内容を読み解くことで、Googleなどの検索エンジンやユーザーに評価されている点が把握できます。自社サイトに不足しているもの、対策しきれていないものがあれば改善の参考にしましょう。

流入経路・リファラー

流入経路とは、Webサイトにユーザーが到達した経路のことです。自然検索、SNS、ブログ、広告などがアクセス元となることが多く、Google アナリティクス(Google Analytics)などのツールで確認することができます。

リファラーとは、ユーザーが対象サイトを訪れる1つ前に閲覧していたWebサイトです。リファラーを調べることで、どのようなWebサイトをユーザーが閲覧していたかが分かるため、ユーザーの興味や属性なども把握することができます。自社サイトの施策配分や新規施策のヒントとなるでしょう。

被リンク

被リンクとは、他のWebサイトに貼られた自社サイトのリンクのことです。Googleでは、価値のある記事は多くの人に参考にされるという考えのもと、質の高いリンクを貼られているページは有益なものであると判断され、SEOで評価されます。
被リンクの獲得方法として、有料リンクなど質の低いリンクはペナルティ対象となることもありますので注意しましょう。競合サイトがどのようなサイトから、どれくらい被リンクを獲得しているのかを調べ、自社のリンク戦略に活かしましょう。

競合サイト分析ツール例

競合サイト分析には競合サイト分析ツールが便利です。提供各社がデータ抽出をおこなっており、Googleと同じロジックや正確な数字とはいいきれませんが、参考になります。

ツールを使う場合は、使用目的をはっきりさせておくとツール選びがスムーズです。目的に合わせた分析ツールを選べるよう、競合分析に役立つツール例をご紹介します。

無料版あり・Similarweb(シミラーウェブ)

出典:Similarweb(シミラーウェブ)

「Similarweb(シミラーウェブ)」はイスラエルの企業Similarweb Ltd.が開発した分析ツールです。世界で広く利用されており、日本語にも対応しています。Webサイトへアクセスしたユーザーの行動や数、属性といったアクセス解析をするためのツールで、競合他社のWebサイトへのアクセス状況の分析に役立ちます。

Similarwebの無料版は、登録不要ですぐに使えるのが最大の特徴です。使い方も簡単で、SimilarwebにアクセスしてトップページにURLを入力するだけなので、気軽に競合分析ができます。アクセス解析ツールには無料のものが少ないので、コストを抑えたい場合や、競合解析を初めておこなう際にお試し感覚で使えるのが魅力です。

有料版・無料版の違い

無料版では、見ることができるデータが限定されています。無料版は過去3ヶ月のデータ、有料版ではプラン毎で定められた期間を遡ってデータが分析できます。
以下は、無料版で利用できる指標例です。有料版ではより多くの分析データや豊富な機能が利用できます。

  • トラフィック数、直帰率、平均訪問時間
  • 訪問ユーザー属性(性別・年齢)
  • 競合他社、および類似サイトリスト
  • 流入経路
  • 流入上位キーワード

有料版では複数名での同時利用も可能です。日常的に使用したり、チームで利用したり、詳細なデータ分析が必要といった場合は、有料版を検討しても良いでしょう。

また、「無料版」と「無料トライアル」がある点にも注意が必要です。「無料版」は登録不要で一部機能が使えます。「無料トライアル」は有料版機能を7日間試せるプランで、利用には登録が必要です。無料トライアルでは自動的に有料版に移行されるため、利用する場合は注意しましょう。

※最新情報はSimilarweb公式サイト(https://www.similarweb.com/)にてご確認ください。

有料版・ahrefs(エイチレフス)

「Ahrefs(エイチレフス)」はシンガポールのAhrefs Pte.Ltdによって開発・提供されているSEO分析ツールで、提供は基本的に有料版のみです。

Ahrefsの一番の強みは世界最大級の被リンクデータ量を生かした被リンク分析です。また、ドメイン単位やURL単位でのSEO調査も可能となっています。
参考にしたいページの流入キーワードやそのボリュームなど、キーワード単位でも分析の深掘りができるので、自社コンテンツの強化に活用できるでしょう。

出典:Ahrefs

被リンク数と推移

自然検索キーワードと推移

キーワードの検索ボリュームや関連キーワードなど

ツール不要!ユーザー視点で競合サイトを分析

ここまで、定量的なデータ分析という点で競合サイトの分析方法に触れてきました。データや数値から叩き出した情報は、競合が設定しているターゲットやコンテンツ戦略を把握するための分かりやすい指標となるでしょう。
一方、実際に競合のWebサイトへ遷移し、目視で確認できる重要なポイントもあります。

Webサイトの構成や情報設計

自社との差別化ポイントを探るためにも、基本コンテンツの見せ方や中身をチェックすることが必要です。競合サイト分析をする際は、まずユーザーとしてWebサイトを利用してみましょう。競合サイトで商品・サービスを検討しようとする際に「使いやすい・使いにくい」点や、優れていると感じたポイントを拾っていきます。

例えば、トップページは企業が最もPRできる内容を掲載することが多いページです。導入実績数や第三者評価を大きく掲げていたり、ブランドイメージが伝わるプロモーション動画を置くなど、サービス紹介や事例の見せ方も参考にしましょう。ページ設計やコンテンツ内容をマップとしてまとめておくと後で見やすくなります。

お問い合わせ導線とオファー施策

BtoB企業に欠かせない、お問い合わせ誘導もユーザー視点でチェックしましょう。お問い合わせのボタンだけでなく、近年ではチャットボットによるサポートも増えています。ユーザー視点で分かりやすく、親切に感じるポイントがあれば参考にしましょう。

また、Webサイト上のユーザー情報獲得の手法も押さえたいポイントです。例えば、以下のようなページが配置されていないか着目してみましょう。

  • 無料トライアル
  • 資料請求
  • メルマガ登録
  • ホワイトペーパーのダウンロード
  • セミナー/ウェビナー申込み

どれだけコンテンツを充実させても、Webサイト上でユーザーがアクションを起こさなければ、企業からアプローチしていくのは難しいものです。コンバージョンに至るために、競合サイトがどのような施策をおこなっているのかチェックしましょう。

関連記事:ホームページ(Webサイト)リニューアルの進め方と成功事例