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2023年版|BtoBマーケティングトレンドと5つの対策チェックリスト

作成者: タービン・インタラクティブ|2023年05月19日

本記事は、2023年現在のBtoBマーケティングのトレンドを解説し、今後のBtoBマーケティングを勝ち抜くための対策をチェックリストに沿って分かりやすくお伝えします。

BtoBマーケティングのトレンド

BtoBマーケティングは近年の消費者の価値観の変化やデジタルツールの発達、2020年に始まったパンデミックなどの影響で激しく変化しました。このコロナ禍でおきたBtoBマーケティングのトレンド変遷を振り返りながら、2023年時点の動向と今打つべき対策を解説いたします。

パンデミックによるBtoBマーケティングへの影響

2020年の前半から始まった新型コロナウイルス感染症の拡大は、産業界に多大な影響を与えて、非対面や非接触、行動自粛などの措置により、経済の動きも予測しづらい時期が続きました。

まず、BtoCビジネスである小売業や飲食業など対面接客を基本とする分野を直撃し、製造業も出勤が制限されるために、生産スケジュールにも狂いが生じました。物流関係も遅延し、必要な部品が入らないなど、サプライチェーンが破綻して打撃を受けるメーカーが続出、交通機関や観光業も営業計画からかけ離れた業績と、描いていた成長線とは大きく異なる修正を余儀なくされました。

BtoBビジネスも対面営業に支障をきたし、多くの企業が苦戦を強いられましたが、オンライン営業に切り替えて営業活動の新しい様式を模索しながら実践する企業が増えました。

BtoBマーケティング施策で主流だった「セミナー」もリアル開催が難しく、2020年早々にWeb上で行う「ウェビナー」形式で対応する企業も出てきました。
実施する企業も、視聴参加する見込み客の多くが手探りで始まった「ウェビナー」ですが、
各企業がこの緊急事態下で企業活動をいかに維持するか情報発信・収集が活発になされていきました。

参考:Googleトレンド

オンライン営業にシフトすると、これまでは必要だった移動時間やコストが低減し、アポイントのスケジュールも組みやすいなどのメリットも見えてきました。リソースを有効に使って、プレゼン内容の精度を上げるなど、パンデミックの影響はBtoBマーケティングを再構築していくきっかけとなりました。

2023年のBtoBマーケティングのトレンド

2023年、パンデミックは落ち着きを取り戻しつつあり、展示会などのオフラインイベントの開催も増えました。やっとお客様と直接会える喜びや期待も高まっている営業の方もいらっしゃると思います。

しかし、この2年あまりで変化した企業活動や見込み客の検討・購買行動のすべてが以前の通りに戻るわけではありません。オンラインとオフラインのハイブリッド型が定着し、BtoBマーケティングは再び局面を迎えているともいえるのではないでしょうか。

この数年で、多くの見込み客はオンラインでの情報収集および取捨選択が上達しました。ただ、本来は対面による営業との信頼構築や情報収集を好むものの、制約のもと仕方なくオンラインでの検討行動を行っていたのか、または今後も継続したいのかなど、状況は千差万別かもしれません。
企業側もフォローする見込み客は何を注視しているのか、オンラインとオフラインで何を期待して行動するのか、どこにリソースを割き応えていくべきか見極める必要があります。
選択肢の広がりから、BtoBマーケティングの難易度が上がったともいえますが、自社の強みやホスピタリティを発揮できる余地が増えたとも考えられます。

2023年版 BtoBマーケティングの対策チェックリスト

そこで、BtoBマーケティングにおいて今抑えておくべき対策を5つのチェックリストにまとめました。皆さんのお取り組み状況とあわせて、対策のヒントになれば幸いです。

いかがでしょうか。これらすべてにチェックが入る企業は、すでにオンライン・オフラインのハイブリッド型マーケティングに万全の体制といえるでしょう。
そうでない場合もご安心ください。この急激な変化ですべてを整えられた企業は多くはないと思います。では、なぜこの5つの視点が必要なのか、どう対策すればよいかをご紹介していきます。

対策1:インバウンドマーケティング

貴社サービス提供領域で悩みがある見込み客は、検討前から貴社の情報にたどり着ける

最初のチェックリストは「悩みや課題がまだ言語化しきれていない見込み客」が情報収集する際に、貴社にたどり着けているかの確認です。
インバウンドマーケティングとは、こちらから営業をかけるのではなく、リード(見込み客)側からのアプローチを促すマーケティング手法です。有益なコンテンツで見込み客を惹きつけ、リードにとって望ましい関係性を保ちながら信頼を熟成し、リードの抱えている問題を解決するステップを取ります。
例えば、見込み客が陥りがちな悩みを解決するホワイトペーパーやブログ記事の公開、セミナー開催などがこれにあたります。

述のとおり、パンデミックの影響下で見込み客の検討行動は急速にオンラインシフトしました。解決したい課題や導入したいサービスがある場合、Web上で情報収集を行いますが、まず自社が想起されない場合、比較検討テーブルにのることすら叶わないことがあります。
インバウンドマーケティングを行い、信頼関係を構築していくことで、貴社サービスの名前だけでなく提供価値や企業の姿勢などが伝わり、実際にサービスを検討する際に貴社を候補として考えてもらえるのです。

BtoBマーケティングは導入に至るまでの意思決定者が複数存在したり、その多くは高単価商材となるため、検討から成約までのリードタイムが比較的長くなります。比較検討する前から「有益であり信頼がおける存在であること」を知ってもらうことも重要です。

そして、リードのニーズを汲み取りながらバイヤージャーニーのすべての段階で寄り添い、課題解決や目的の達成に立ち合い、サポートしていくことが理想といえます。

対策2:自社Webサイトの見直し

貴社を検討する見込み客は、Webサイト上で必要な情報取得および、お問い合わせができる

2020年、急速なオンラインシフトでWeb制作やリニューアルの必要に迫られた企業も多くありました。BtoB企業のリード(見込み客)側の企業が商品やサービスの購入を検討する際には、窓口担当者がまずWeb上の情報をチェックして、比較検討します。この段階はいわば書類選考のようなもので、Webサイト上で各社の強みやサービス機能、価格帯、活用成功事例、会社概要などから取引すべき相手かどうかを、ある程度判断します。

しかしながら、Web上で得られる情報が少なかったり、お問い合わせへの導線が煩雑な場合は、知らないうちに選考の機会すら逃していることになります。営業に会ってもらう前の顔であるWebサイトの重要性は益々高まっているのです。

対策3:インサイドセールスの導入

営業アプローチすべき見込み客リードの選別を行う仕組みがある

インサイドセールスとは「内勤営業」と訳されます。営業を仕掛ける顧客リストの作成やメール営業、電話営業を行い、商談のアポイントをゴールとし、そこから先は営業部門にバトンタッチします。

従来では営業担当者が自らアプローチする先の企業リストを整備し、新規飛び込み営業や電話営業でアポイントを取って商談を展開し、成約後のフォローも含めて全プロセスを担当することが主流でした。
従来の営業スタイルは担当者と顧客とのコミュニケーションが密になり、良好な関係を築きやすいといえます。一方で、営業担当者は膨大な量の業務を抱えており、純粋な商談活動の時間は限られます。コロナ禍で対面アプローチも制約があり、リードを絞り込んでいない状態では、営業効率が上がりにくい課題もありました。

インサイドセールスはアメリカで始まり、日本でも2010年代後半から営業効率を上げる手法として注目を集め、2020年前半からのパンデミックにより、ますます需要が高まりました。
マーケティングや営業職が兼任することも多いですが、電話やメールを用いたリードの選別および引き上げも高いコミュニケーションスキルにより成果が大きく異なるため、専門チームを立ち上げたり、外部へ委託するなどの企業も増えています。

対策4:顧客情報の獲得と管理方法をアップデート

オフライン・オンラインの見込み客の情報・行動履歴を一元管理できている

以前は、展示会では営業が名刺を獲得、Webでのお問い合わせはマーケティングで対応など、従来の顧客行動に合わせて顧客対応や管理が別々になっていることはありませんか?オンラインとオフラインを行き来する今、見込み客のデータ管理もアップデートが必要です。

イベント施策もオンライン・オフラインのハイブリッド型に

リード獲得のために行うセミナー開催や展示会出展は多くのBtoB企業が手がけてきた手法でした。しかし、オフラインイベント開催が困難になり、セミナーや展示会などを新規開拓のメインの手法にしていた企業は、Webを活用したウェビナー(オンラインセミナー)やバーチャル展示会に姿を変えて、積極的に開催されるようになりました。

オンラインなので、参加者が直接商品に触れ、サービスを体験することが難しい面もありますが、本来なら参加しにくい遠隔地からでも参加可能です。そのため、全国の見込み客へアプローチが可能になり、オフライン開催よりもコストを抑えられるなどのメリットもあります。

オンラインイベントでは、オンライン上の参加者の行動や反応、滞在時間、チェックしたページなどのデータ収集も可能です。気軽に参加できる分、検討段階にまだない情報収集層が多くなることもありますが、コンテンツ企画や開催後のアプローチ次第で成果を上げていくことができます。

また、オフラインで獲得した名刺情報をオンライン上の見込み客と合わせてデータ管理することで、営業フォローもスムーズに行うことができ、後々のマーケティングに役立つ有益な情報にもなります。

個人情報保護法改正(Cookie規制)への対応

2022年4月には改正個人情報保護法が施行されました。抑えておきたいポイントとしては「サードパーティクッキー(3rd Party Cookie)」、つまり訪問しているWebサイト以外のホスト(例:広告バナーと紐づく広告配信サーバー)から発行されるCookieが規制される点です。

サードパーティクッキーに関して、AppleのSafariはすでにデフォルトで全面ブロックし、Google Chromeも2024年後半を目処に、サードパーティクッキーの廃止を予定しています。この規制により、Webマーケティングにおけるリターゲティング(広告)の効果が低減せざるを得ません。
これを受けて、自社で収集した顧客情報「ファーストパーティデータ(1st Party Data)」の活用が改めて重要になってきました。

もちろん、これまでオフラインで収集した顧客情報もファーストパーティデータにあたりますが、オンラインでの検討行動が進む今、Web上でのサイト訪問履歴やお問い合わせ等のアクションをCRM(Customer Relationship Management:顧客管理システム)などで蓄積し、施策に生かしていくことで成果だけでなく業務効率を高めていくことができます。

※公開日時点の情報です。
公開記事2022年の改正個人情報保護法とは?を分かりやすく解説!企業のマーケティングに与える影響や対応方法まとめ

対策5:デジタルマーケティングツールの活用

顧客データを活用したマーケティングが実践できている

パンデミック影響、営業DX推進の元、顧客データの蓄積や管理はアップデートされた企業も多いかもしれません。しかし、見込み客の連絡先・属性情報・行動履歴など扱えるデータ量が膨大になり、有益な資産のはずが、マーケティング戦略や施策に活用しきれていないお悩みもあるのではないでしょうか。

データドリブンマーケティング

データドリブンマーケティングとは、ユーザーの行動・購買情報や売上データなど収集した情報を解析し、それを基に顧客に対するアクションの内容やタイミングなどを判断するマーケティング手法です。経験や勘に頼っていた不確かな部分も、データを基準とした精度が高い推測によって判断することができます。

WebサイトやSNS、広告配信、セミナー、展示会、メール、DMなどの多岐に渡るソースからのすべてのデータを包括的に解析・可視化することで確度の高い施策が判断できます。一般的に解析ツール、データアナリストやデータサイエンティストなどの人材が必要と敷居が高く感じる企業も多いかもしれません。

前述した、購買行動の多様化、営業スキームのアップデート、Cookie規制によるファーストパーティデータへの期待など様々な要因から、マーケティングで扱えるデータは膨大となり、成果や業務効率を上げるための取り組みが活性化しています。

ツールを用いた顧客情報の管理・活用

BtoBビジネスを継続的に展開していくためには、新規顧客がリピーターとなることが大切です。
潜在顧客からリード(見込み客)、そして実際に成約した顧客の情報は、BtoBビジネスにとって利益を生み出す貴重なリソースです。単にその顧客企業への今後のアプローチのためだけでなく、営業戦略を改善・発展させるための判断材料ともなります。

CRM(顧客管理システム)を導入して顧客の行動やコミュニケーションの記録を残し、顧客流出を防ぎつつリレーションシップを盤石にすることをおすすめします。

ほかにもSFA(営業支援システム)やMA(マーケティングオートメーション)の活用が広まるとともに、ツール間の連携も盛んです。あらゆる営業アプローチが社内で共有され、顧客データや商材のデータの一元管理が進んでいます。

また、マーケティングダッシュボードやKPIツリーなどにより、マーケティング効果の可視化も進化しています。データの取り扱いや連携などは専門性が高く敷居が高い印象もありますが、ツールのスペックも相対的にバージョンアップし、管理や分析の精度も向上しました。

デジタルマーケティングツール検討のポイント

ツール導入の前に、是非抑えていただきたいポイントもご紹介します。

1.ツール導入の目的とゴールを社内で共通認識化する

昨今のツールは多機能となり強みも様々です。利用する企業のフェーズによって活用機能の優先順位が異なります。ツールベンダーのセールスポイントだけでなく、自社で解決したい課題を前もって明確にすることで、導入後もスムーズに成果へたどり着くことができます。

2.実際に使いこなせるかを確認する

ツールを導入する際は、マーケティングや営業プロセスの変更も同時に発生します。仕様や操作の理解に時間がかかるツールでは、組織への展開や浸透がさらに遅れ、活用も属人化し、結果的に成果を実感する前に従来のフローから抜け出せずに風化する残念な結果になってしまいます。

1で定めた目的とゴールを達成するために、運用者のリテラシーや活用場面を想定し、高度な設計・運用を行えるツールがよいのか、分かりやすく簡潔にデータを分析し成果をあげることが重要なのかなど、実際に使用するイメージをもってツールやプランの選定を行うことをおすすめします。

3.複数ツールを導入する場合、ツール間の連携を確認する

マーケティングや営業で取り扱うデータ、およびWeb上での接客などデジタルマーケティングツールは多岐にわたります。それぞれの担当部署で最適なツールを選んだものの、部門間でのリード情報の受け渡しが分断してしまっては、そこを補完する業務フローやツールが必要となってしまいます。現在使っているツールを継続すべきか、関連する部門との業務フローなども視野に、シームレスなツール連携が行えることが理想的です。

HubSpot

ここでは私たちが自信をもっておすすめするソリューション「HubSpot」をご紹介させてください。
HubSpotは、BtoBマーケティングに必要な機能を全て備えた統合型プラットフォームです。オンラインにおけるマーケティング・営業活動に必要な基本的な機能を保有しています。

CRM機能をベースに、見込み客の獲得・育成コミュニケーション、コンテンツや分析に長けたマーケティングオートメーション機能(Marketing Hub)から、時系列で記録された顧客データと商談/営業進捗管理が行えるSFA機能(Sales Hub)、顧客満足度を高めるためのプロセスを自動化する機能(Service Hub)など、自社にニーズにあわせてカスタマイズができます。

それぞれの部門課題や顧客フェーズにあわせた活用はもちろん、部門をまたいだリードの共通管理が可能なため、見込み客の獲得から優良顧客の育成まで一気通貫してデータ活用が可能となります。

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