支援種別:
事業:医療、眼鏡機器、コーティング、研究
公開日:2015年04月01日
URL:http://www.nidek.co.jp/
創業以来一貫して「目」に特化した事業を行う株式会社ニデック様。国内の多くの眼科・眼鏡店で導入されている眼の屈折度測定装置オートレフラクトメーターは測定時に表示される「気球の絵」で広く知られています。
世界80カ国以上に向けて輸出を行うなど売上高の海外比率が約50%という同社にとって、Webサイトの戦略活用は国内市場の深耕とともに海外売上をさらに牽引するための必須課題でした。
私たちは国内及び海外の眼科や眼鏡店に様々な機器を納めるメーカーです。専門特化しているからこそ、一人ひとりのお客様へのきめ細やかな対応が非常に重要になってくると考えています。そのためにはお客様の情報を統合的に管理し、状況に合わせた最適なマーケティング施策を行うCRM(顧客管理)プラットフォームが必須でした。
しかしこれまでは、社内の各部署が顧客データの管理やメール配信などのマーケティング施策をそれぞれ独自で行っている状況でした。
またWebサイトも、私たち広報課が運営する「コーポレートサイト」と事業部が運営する国内医療関係者向けの「会員サイト」、一般消費者向けの「ECサイト」が別々に存在しており、情報の二重化はもとよりサイトイメージの乖離も大きな課題でした。
そこで、データベースやサーバ、Webサイトをすべてひとつに統合して、もっと効率的にマーケティング施策を行うプラットフォームを作れないか、というのがリニューアルのきっかけです。
今回のプロジェクトは「CRM」「CMS」「ブランディング」「EC」「サーバ統合」と非常に多岐にわたるスコープであったため、それらを横断的に行えるパートナーは実際ほとんどいませんでした。
最初はシステムインテグレーターさんに依頼して提案をしていただいたのですが、部分的なソリューション提供にとどまり、我々の求める全体最適に至らないのではという懸念がありました。
そこで、顧客管理プロジェクトの実績があり、同時に大手企業を中心にBtoB企業のブランディングを多く手がけられているタービンさんなら今回の課題を総合的に解決してくれるのではと思い、パートナーとしてお任せすることにしました。
プロジェクトには最初の要件定義からサイトローンチまで、実に2年をかけています。
その間終始スムーズに進行しました、と言いたいのですがやはり大変なこともありました。
特に、今回は広報課だけでなく社内の各事業部も参加して全体で要件を詰めていったこともあり、事業部ごとに特殊な要望をまとめるのには苦労しましたね。
各現場から出てくる意見は「なんとなくこうしたい」という程度のことが多く、さらに長いプロジェクトの間には会社の状況も変化しているので、最初に決めた要件自体が実態と合わなくなってきてしまう。広報課として全体バランスをとるのが非常に難しかったように思います。
しかし実際にこのWebサイトやシステムを使って業績を上げていくのは各事業部のメンバーです。その視点を忘れずに粘り強く取り組んだ結果、最終的に現場の意見がしっかり反映された、「使える」ものが出来たのではないかと思っています。
海外に向けた事業拡大のために、ブランディングはまさに重要課題でした。
「海外ユーザーは写真に対するこだわりが強い」というタービンさんのアドバイスがきっかけで、今回メインの写真は外国人モデルとカメラマンを起用しすべて撮りおろしました。
その結果、シャープで洗練された企業イメージが表現できていると非常に好評です。
実際に今、海外販社から「写真を提供して欲しい」という声や、「Webだけじゃなく印刷物などにもしたい」という依頼を多くいただくなど、ニデックブランドが確実に浸透していく手ごたえを感じています。
写真のクオリティにここまでこだわる国内製造業はまだまだ少ないと思いますが、競合相手は世界企業。こうした品質ひとつひとつがブランドや企業の信頼につながっていくと考えています。
当社は愛知県蒲郡市といういわば地方に位置していますが、私たちのお客様は世界中の人々です。Webサイトでグローバルな企業イメージをうち出すことが出来て、大変満足しています。
既存のCRMツールをベースに、既存顧客のオンライン上の行動履歴や新規見込み客からの問い合わせ情報などを可視化、スコアリングする仕組みを新たに構築。
医療関係者向けの会員機能と組み合わせて、営業支援につなげることはもちろん、顧客サービスの一層の充実化を目指しています。
また当社の強みの一つは眼科医療関係者との強いパイプときめ細やかなサービスです。オンライン上のユーザーの行動やニーズをリアルな営業活動と連携させることで、Webサイトで営業マン数人分の仕事が出来るようにしたいと思っています。
さらに今後の海外戦略に合わせ、現地の販売代理店に向けた営業支援やマーケティングも重要課題です。一人ひとりのサイト上での行動履歴に合わせたメールの出し分けや営業フォローなど、海外においても基本は同じ。お客様によりご満足いただける情報提供サービスを行いながら、ニーズの発見や育成、受注確度の向上につなげていきたいと思っています。
株式会社ニデック
企画部 部長
岩瀬 清忠 様(写真中央)
株式会社ニデック
企画部 広報課 課長
中根 康弘 様(写真左)
株式会社ニデック
企画部 広報課
平野 結花 様(写真右)