第41回:顧客の目線で旅をする⁈カスタマージャーニーマップの有効性

カテゴリ:ネット活用実践講座 – 2015年2月9日

こんにちは、志水哲也です。
このコーナーを5年ぶりに再開することにいたしました。
出版後、アーカイブとして公開されていたブログですが、5年の間には実に多くの変化が起こっています。新しい記事を追加して、少しバランスを取ってみるつもりです。
ゆっくり、こっそり進行します。よろしくおつきあいください。

カスタマージャーニーマップ=「顧客の旅の地図」。

はい、直訳です(笑)
あなたの顧客があなたのサービスを発見し、購入に至るまでのストーリーを「旅」に見立て、その行程を「地図」にして俯瞰しようという取り組みを指します。

ユーザー体験(UX)を向上させるためにはまず、ユーザーの気持ちがわからなくてはなりません。

どんな目的でサイトに来訪しているのか、探しているコンテンツは何か、それを必要としている理由は何なのか、サイトに来るきっかけは何だったのか、すでにどれぐらいの情報を持っているのか・・・

それを、典型的なユーザー像(ペルソナ)になりきって考えることで、自社のWebサイトが本来発信するべき情報の内容や、良質なコミュニケーションが発生しそうなポイントが見えて来るのです。

ペルソナは、リサーチによって導き出された複数パターンの顧客パーソナリティーをリアルにイメージしたものですが、彼(彼女)の考えや行動について、できるだけ具体的に想像してみましょう。立場の違う数人のチームで意見を出し合いながらワークショップ形式で進めると、多様な意見がバランスされて良い結果になることが多いようです。

その他、ポイントとして

・その物語を執筆中の小説家になったつもりで、俯瞰する
・「困った」「嬉しい」といった、感情面に着目する
・Webで検索するアクションのさらに前から考える

に留意してください。
書き出して整理できれば、効果的なコンテンツの構成が導き出されるはずです。

さあ、模造紙と複数色のポストイットを準備してチャレンジしてみてください!

 

※ペルソナについては、以下の資料でもご説明しています。

Webサイトリニューアル成功のためのチェックリスト10

第40回:ネット情報取得の変遷(最終回)

カテゴリ:ネット活用実践講座 – 2010年3月10日

「受動的な情報摂取」から、「積極的な情報取得」へ。

インターネットは、ここ十数年で消費者の行動を大きく変えたと言われます。では、インターネットでの情報取得方法それ自体も、大きく変わっているのをご存じでしょうか?「ポータル」から「サーチ」、そして「ソーシャル」へ。私たちの行動様式に大きな影響を与えたトレンドを整理してみましょう。

1.ポータルの時代
インターネット黎明期は、テーマ毎に多くのコンテンツを有する「ポータルサイト」を起点に「ネットサーフィン」を行うのが主流。Yahoo!JAPANは、1996年、運営スタッフがWebサイトを確認しながら登録作業を行うディレクトリサービスとしてスタートしました。ユーザーは、ポータル運営者(=プロの情報選者)のオススメを信じて情報を取得していたのです。

2.サーチの時代
Web上の情報量が爆発的に増大し、人力によるポータル運営が間に合わなくなると、プログラムとデータベースで、自動的に情報を整理する方法が優勢になりました。いわゆる「検索エンジン」です。「すべての情報を整理する」企業として登場したグーグルを中心に、より「ハズレのない」検索結果がもたらされ、ユーザーは「検索」のセルフサービスで、精度の高い情報取得をするようになります。

3.ソーシャルの時代
そしてここ数年、ユーザー間のコミュニケーション手段である「ソーシャルメディア」の利用時間伸長とともに、ツイッターやミクシィで紹介される内容がメインの情報ソースになるケースも増えています。フォローしている著名人や知り合いのオススメ情報、ミクシィのコミュニティの記事からリンクされる、オススメの情報をチェックする。もともと自分の興味にマッチした人格からのオススメですから、さらに「ハズレのない」結果がもたらされることになります。気がつけば、ネットメディアを閲覧したり、検索をする回数自体が減ってきている・・・・。というのが、昨今の先進的なネットユーザーに見られる傾向でしょう。

さて、みなさんの周りはいかがですか?

企業Web活用の基本は、ユーザーの行動やニーズを知ること。みなさん自身が様々なスタイルでネットやツールを活用してみることが重要です。百聞は一見にしかず、やってみなければ価値が理解できないことも多いのですから。

当連載は、今回が最終回となります。長らくお付き合いいただき、ありがとうございました。
過去の連載内容は
http://www.turbine.co.jp/sp/chukei/
でご覧いただけます。
それではまた、どこかでお会いしましょう。

(2010/03/10 中部経済新聞掲載)

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