第05回:クラウド化によるビジネススタイル変化

カテゴリ:ネット活用実践講座 – 2009年7月8日

「雲の中でおしごと」・・・といってもファンタジーではありません。

「クラウドコンピューティング」という言葉をご存知でしょうか?IT業界では今もっとも旬なキーワード。生活やビジネスのスタイルを大きく変化させている現象です。「クラウド」とは雲。クラウドコンピューティングは「ソフトウェアやデータを手元のコンピューターに置くのではなく、(雲の中のような)インターネットの向こう側に置く」という考え方を指します。

ピンと来ませんか?例えばGoogleやYahoo!が提供するメールサービスをイメージしてください。ネットを使えばどこからでも利用できるこのようなサービスでは、みなさんのPCに専用ソフトやメールのデータを置く必要はありませんね。インターネット経由で「雲の中」にあるサーバ群にアクセスし、その中のソフトを使って、自分宛てのメールを読み、返信しているのです。

メールだけでなく、「文書作成」、「表計算」、「プレゼン作成」や「スケジュール管理」さらには「画像編集」といった多くの機能が、雲の中に用意され、無料、または非常に安価に利用できるようになっています。

最近流行している小型で低価格のPC、「UMPC(ウルトラモバイルPC)」は「ネットブック」とも呼ばれています。このカテゴリでは「データやソフトを置くためのハードディスクは小さいが、ネット接続のための無線LANは標準装備」とういうのがお約束。「雲の中のサービス」を活用するスタイルが前提となっているから「ネットブック」という訳です。なるほど、クラウドな世の中が進行していることを感じさせるますね。

ちなみにこの原稿も、Googleが提供するGoogle docsで執筆中。オフィスのPCより、寝室のネットブックが活躍することが多いこの作業とはとても相性がいいのです。

さて、企業の取り組みも同様です。本格的に導入するには数千万円単位の投資が必要だったCRM(顧客関係マネージメント)やSFA(営業管理)といった領域も、クラウド化することで、1人あたりわずかな金額で「レンタル」できようになりました。

小規模のチームですぐに運用がスタートできる支援システムの存在は、戦略の自由度を飛躍的に向上します。「必要なクラウドサービスを組み合わせ、目的にあわせて活用する」ノウハウは、企業が勝ち抜くための重要な鍵といえるでしょう。

(2009/07/08 中部経済新聞掲載)

第04回:フリーダイヤルは誰が鳴らす?

カテゴリ:ネット活用実践講座 – 2009年7月1日

「♪0120?000の×××?♪」覚えやすいメロディーでフリーダイヤルを歌い上げる。

TVCMの常套手段だったこの手法も、以前ほど直接的な効果が出ないようです。ある企業の広報担当者に聞いた話では、TVで歌われている電話番号より、ホームページに記載されている電話番号へのお申し込みの方が多くなる傾向にあるとの事。電話をするならホームページは関係ないのではと思われるかもしれませんが、そうでしょうか?ちょっと考えて見ましょう。

実際にニーズが発生したとき、あなたならどうしますか?

1)記憶を頼りに、まずは電話してみる。
2)ホームページでサービスの内容などを確認してから、電話をする。
3)ホームページでサービスの内容などを確認してから、そのままインターネットで申し込みをする。

サービスの種類にもよりますが、今やほとんどの方が、2)か3)の行動をとられるのではないでしょうか。

実際、マス広告の現場でも、ホームページやケータイサイトで情報を補完してもらうことを前提にコミュニケーションが設計されるようになりました。TVCMに、歌の代わりに検索窓が表示されるようになっているのは、みなさんご存知のとおりです。

一般的になった「○○○で検索」というテロップ。重要なのは、顧客が覚えやすいキーワードを選定すること、さらに、顧客がそのキーワードで検索した際、簡単に見つけられることです。競合の多いキーワードを使用してしまっては、検索エンジンで上位表示されるための作業(SEO)に多くのコストがかかったり、せっかくの顧客をライバル企業へ誘導してしまうといった結果にもなりかねません。他にも、景品表示法や薬事法への配慮や、ブランドイメージとのギャップ調整など、クリアすべきハードルもあります。

フリーダイヤルの語呂合わせがそうであったように、このキーワード選定のセンスは、これからの集客効果を大きく左右するでしょう。

マスで認知し、電話で問い合わせるお客様にこそ、ホームページは手を抜けないのです。

電話するタイミングでの十分な事前情報はあるか?背中を押してくれるきっかけはあるか?不安を取り除くための気遣いはどうか・・・?お客様視点で、お電話をくださるお客様の「本当のストーリー」を見てみることをおすすめします。

(2009/07/01 中部経済新聞掲載)

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