「新たな顧客と出会いたい。」
長引く不況の中、多くの企業が求めているのが新規顧客の創造です。これまで、大手メーカーや有力な代理店など、特定の顧客を中心に事業を展開してきた企業ほど、このテーマは重要かつ難しい課題となっています。
Web戦略の現場でも、ここ数年「コンバージョン」と言う言葉が飛び交うようになりました。コンバージョンとは、「顧客への転換」を意味する言葉で、BtoCであれば購入、予約、カタログ請求、BtoBであれば見積依頼、資料請求、お問い合わせなど、顧客になるステップを踏んでもらうことを指します。
コンバージョンを獲得するため、
1.アクセスの状況やページの閲覧履歴からユーザー心理を分析したWebサイトの改善、
2.広告効果を測定して要件にあう広告媒体や誘導方法の比較検討・出稿
などの「Webマーケティング」も、多くの企業で積極的に取り組まれるようになりました。
しかし、実際はこのような努力が「ある理由」で結果につながらないケースが多いことをご存じでしょうか。それが「マーケティングと営業活動の分断」です。
私たちが現場でよく耳にする事例としては、マーケティング部署が必死で集めた「見込顧客」(コンバージョン)を、営業が「ありがたくない客(見込みの薄い客)」と見なし放置してしまうというケースです。
このような場合、潜在顧客を獲得するまでは実に科学的に作業しているにもかかわらず、その後の潜在顧客への対応方法や使用するツール、獲得目標の設定やその管理・改善方法についての「営業設計」ができていないことが原因であることが多いのです。
先日、クラウドフォース・ジャパン2009というクラウドコンピューティングのイベントで、今回のテーマである「マーケティングと営業の連携」について講演をさせていただく機会がありました。全体で6000人、私が担当させていただいたセッションだけでも1000人を越える参加申し込みがあり、Webを活用した営業活動の効率化、とりわけマーケティングと営業の連携に多くの関心が集まっていることを実感いたしました。
「WebマーケティングとWeb営業」は間違いなく、これからの企業活動を考えるキーワードです。ライバル企業に先を越されるその前に、全社的に取り組みをされてはいかがでしょうか。
(2009/09/23 中部経済新聞掲載)