第04回:フリーダイヤルは誰が鳴らす?

カテゴリ:ネット活用実践講座 – 2009年7月1日

「♪0120?000の×××?♪」覚えやすいメロディーでフリーダイヤルを歌い上げる。

TVCMの常套手段だったこの手法も、以前ほど直接的な効果が出ないようです。ある企業の広報担当者に聞いた話では、TVで歌われている電話番号より、ホームページに記載されている電話番号へのお申し込みの方が多くなる傾向にあるとの事。電話をするならホームページは関係ないのではと思われるかもしれませんが、そうでしょうか?ちょっと考えて見ましょう。

実際にニーズが発生したとき、あなたならどうしますか?

1)記憶を頼りに、まずは電話してみる。
2)ホームページでサービスの内容などを確認してから、電話をする。
3)ホームページでサービスの内容などを確認してから、そのままインターネットで申し込みをする。

サービスの種類にもよりますが、今やほとんどの方が、2)か3)の行動をとられるのではないでしょうか。

実際、マス広告の現場でも、ホームページやケータイサイトで情報を補完してもらうことを前提にコミュニケーションが設計されるようになりました。TVCMに、歌の代わりに検索窓が表示されるようになっているのは、みなさんご存知のとおりです。

一般的になった「○○○で検索」というテロップ。重要なのは、顧客が覚えやすいキーワードを選定すること、さらに、顧客がそのキーワードで検索した際、簡単に見つけられることです。競合の多いキーワードを使用してしまっては、検索エンジンで上位表示されるための作業(SEO)に多くのコストがかかったり、せっかくの顧客をライバル企業へ誘導してしまうといった結果にもなりかねません。他にも、景品表示法や薬事法への配慮や、ブランドイメージとのギャップ調整など、クリアすべきハードルもあります。

フリーダイヤルの語呂合わせがそうであったように、このキーワード選定のセンスは、これからの集客効果を大きく左右するでしょう。

マスで認知し、電話で問い合わせるお客様にこそ、ホームページは手を抜けないのです。

電話するタイミングでの十分な事前情報はあるか?背中を押してくれるきっかけはあるか?不安を取り除くための気遣いはどうか・・・?お客様視点で、お電話をくださるお客様の「本当のストーリー」を見てみることをおすすめします。

(2009/07/01 中部経済新聞掲載)

第03回:SEOは企画段階から

カテゴリ:ネット活用実践講座 – 2009年6月24日

インターネット経由の顧客を増やす手段としてSEO(エスイーオー)という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

SEOは「サーチエンジン最適化」の略で、「検索エンジンで利用者が検索をした際に、結果画面の上位に表示されるよう手段を講じる」こと。人々の興味の導線上に、自社の商品やサービスを出現させるためにとても重要であり、「○位までに表示されなければ世の中に存在していないのと同じ。」という意見もあるほど重要なこととなっています。

そのため、どうしたら検索エンジンから高い評価が与えられるかについては、ネットの現場では常に議論がなされています。
例えば
・キーワードをページのタイトルとして使用しているか
・本文内にキーワードが適切な割合で含まれているか
・人気のあるサイトから、良質なリンクを集めているか
などが評価対象となる、という話はご存じの方も多いでしょう。

残念なのはSEOが、主に技術的な視点を中心に語られてしまうことです。「最適化」の対象が、あくまで検索プログラムとなっており、テクニックとして紹介をされているのです。

しかし、ウェブサイトの究極的な目標は、企業が顧客と出会うこと。

顧客の求める情報と、企業が提供したいサービスや商品をつなぐことだと思います。SEOが、興味のある顧客を絞込み来訪に結び付ける技術だとすると、大切なのは企業が対話したい「キーワード」で、探しているユーザーにより探しやすくしてあげること。逆に言えば、ユーザーが求めていないキーワードで来訪される無駄を減らしてあげることかもしれません。

そう考えれば、まずウェブサイトの企画の段階で、「どのようなキーワード群を対象にするのか」を検討することは、ターゲット顧客について検討するのと同様に重要だと気付くはずです。この「キーワードを考えていくこと」は、サイトの目的やビジネスの目標に具体性や広がりを持たせる、大変重要な工程となります。

残念ながら、このようにキーワード群を決定してからサイト構造やコンテンツを設計する手法は、まだあまり一般的ではありません。しかし、多くの人が競合するビッグなキーワードを技術的な手法で対策するよりも、他のサイトが使っていないがターゲット顧客にぴったりするキーワードを発見し、それらをサイトの構造にうまく取り入れるほうが、有効なSEO施策である場合が多いのです。

さて、御社のサービスに興味を抱くお客様はどんなストーリーで、どんなキーワード検索をするのでしょうか?

(2009/06/24 中部経済新聞掲載)

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