朝9時30分、せっせと農作物を収穫する私のアバターを眺めながら、農場の拡張計画を考えるのが最近の日課・・・・もちろんPCの画面上、ゲームの話です。
ミクシィやグリー、FacebookをはじめとするSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)で、ユーザー同士が関係しながら楽しめる、手軽なゲームが流行しています。
「単純なのに、つい続けてしまう。」「友達を巻き込んで、ブームになっている。」ゲーム業界でも新規性や独自性でヒットを出すことが難しい今、なぜソーシャルゲームアプリなのか。成功の条件は、「動員・継続」のために巧妙に設計された「仕掛け」にあるようです。
ミクシィが、満を持して導入した「ミクシィアプリ」が正式リリースされて約1ヶ月、当初100点あまりだったアプリも、徐々にそのバリエーションを増やしています。なつかしいゲームや、コミュニケーション機能、笑いのネタなど、決して派手なものではありませんが、ミクシィの利用率や「マイミク」との交流促進に成功しており、今後の展開が期待されます。
一方、全世界で2.5億人の会員を有するといわれるFacebookでは、「Facebookアプリ」の展開実績、アプリのバリエーションや影響力も桁違い。私がFacebook本社、Facebookアプリを開発する「RockYou」社をシリコンバレーに訪問したのは08年の11月でしたが、その時点ですでにアプリの影響力は大きく、Facebookの活性化を牽引する存在としてのパートナーシップが実現していました。
・SNS側は、「ユーザーデータの取り扱い」をプラットフォームとして提供。
・アプリ開発事業者はSNS上で楽しめるアプリをビジネスとして展開。
・結果的にSNSの利用者・利用率拡大につながり、アプリユーザーも拡がる。
というストーリーです。
アプリの開発者はユーザーをリピートさせるビジネスとして、
1.「常習性」
2.「口コミ性」
3.「換金性」が特に重要だと教えてくれました。
冒頭にご紹介した大ヒットの「農業ゲーム」。「種まき」や「収穫」といった活動があり、来訪者との協働や作物の売却というイベントがある「農場」には、「何度も訪問してもらう」ための条件が揃っているような気がします。
次回はこの農業ゲームを題材に、謎解きをしていきましょう。
(2009/09/30 中部経済新聞掲載)