「インバウンドマーケティング」と「コンテンツマーケティング」という言葉。マーケティングや営業企画の担当の方ならご存知ではないでしょうか。
しかし、様々な用語や手法が日々増えていく中で「この二つ、似ているけど何が違うのか?」と混同されることも多いと思います。
今回は、最近企業担当者から聞かれることが多い「インバウンドマーケティング」と「コンテンツマーケティング」の違いについて解説します。
マーケティング先進国であるアメリカにおいてもコンテンツマーケティングとインバウンドマーケティングの違いは分かりにくいようで、HubSpotが「コンテンツマーケティングとインバウンドマーケティングの関係について、最も適切に説明しているのは次のうちどれですか」というアンケートを「State of Inbound」において3,500人に対して行っています。
引用元:HubSpot
マーケター、営業、カスタマーサービス担当者による回答の違いは多少あるものの、「コンテンツマーケティングはインバウンドマーケティングに含まれる(グラフ上のオレンジ)」という回答がどの担当者でも最も多いという結果が出ました。
ちなみに他の選択肢は、以下の通りです。
・この2つは同意語である(赤)
・コンテンツマーケティングがインバウンドマーケティングに含まれる(オレンジ)
・インバウンドマーケティングがコンテンツマーケティングに含まれる(灰)
・この2つはまったくの別物である(青)
本当にこの調査のように「コンテンツマーケティングはインバウンドマーケティングに含まれる」のでしょうか?
そこでもう一度「インバウンドマーケティング」と「コンテンツマーケティング」の意味について再確認してみましょう。
インバウンドマーケティングは、潜在顧客を魅力的なコンテンツなどで惹きつけ、様々なアクションで育成し、最終的に優良な顧客にするまでの手法であり概念です。
情報に溢れている現代において、消費者はスマホ一つで様々な情報を取得し、自分で検討し、比較することが一瞬でできてしまいます。その製品やサービスを購入するかどうかは営業担当に会う前に消費者側でほとんど決まってしまうのです。
そんな中でこのインバウンドマーケティングは「お客様目線のアプローチ」としてアメリカを中心に多くの企業で注目を集めています。
このインバウンドマーケティングは、「アトラクト(惹きつける)」「コンバート(転換する)」「クローズ(顧客化する)」「ディライト(喜んでもらう)」の4つのステップで構成されています。
インバウンドマーケティングでは各ステップで、それぞれにあった最適なコンテンツやアクションを最適なタイミングで行うことが重要になります。
「相手にとって有用で、魅力的なコンテンツ」はその中でも非常に重要な役割を果たす要素なのです。
コンテンツマーケティングとは、ターゲットとなるペルソナの課題やニーズを把握し、相手にとって価値の高いコンテンツを作成し最適な方法・手段で提供することで、主に見込み顧客を集めるマーケティング手法のことを指します。
コンテンツが充実していないと、潜在顧客を惹きつけることができないだけでなく、見込み客にコンバートすることもできません。
コンテンツマーケティングは、インバウンドマーケティングにおいては特に前半の「アトラクト(惹きつける)」や「コンバート(転換する)」に最も威力を発揮するマーケティング手法と言えるのです。
結論としては、「インバウンドマーケティングはより広い概念であり、コンテンツマーケティングはインバウンドマーケティングを行う上で必要な手段の一つである」と言えそうです。
ここで重要なのは、両者を別物として切り離して考えるのではなく、インバウンドマーケティング成功のためにはコンテンツマーケティングの戦略が必要不可欠であり、この二つを両立させて考えることこそが成功の鍵だということです。
インバウンドマーケティング導入のためのステップはこちらの記事でも詳しく紹介しております。合わせてご覧ください。
インバウンドマーケティング成功の4ステップ~見込み客を集めて顧客に育てる
「インバウンドマーケティング」と「コンテンツマーケティング」は別物や相反するものではなく、共存する関係にあり、「インバウンドマーケティングにおいて重要な手法がコンテンツマーケティングである」という認識が必要です。
まずは、インバウンドマーケティングをより理解し、コンテンツマーケティングの方法論を学んで行きましょう。