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コンテンツを発信したいけど…何から始めればいいの? 今日から始められる書き方のコツもご紹介 | BtoBマーケティングならタービン・インタラクティブ

作成者: タービン・インタラクティブ|2024年09月02日

コンテンツ発信でお悩みの方向けに『コンテンツ制作の意義やコンテンツの書き方』を具体的に解説いたします。

本記事は、2024年5月28日ウェビナーで配信した内容をブログ化しております。
動画でご視聴されたい方向けに、本ウェビナーのアーカイブ動画もご用意しておりますので、ぜひご視聴ください。

アーカイブ動画はこちら

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目次

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コンテンツ制作の意義について

近年「インバウンドマーケティング」という考え方が広まってきており、インターネットの普及により、顧客自身が課題解決のための情報を能動的に検索するようになりました。
企業は自社の製品やサービスについて一方的に情報を発信するのではなく、顧客にとって有益なコンテンツを提供することが求められるようになってきています。

かつてはテレビCM、テレアポなど、企業側からプッシュするアウトバウンドマーケティングが主流でしたが、顧客主導型のインバウンドマーケティングに取り組む企業が増えてきました。

インターネットの普及により、自分のペースで情報を検索・吟味・選別する人が増加する一方、CMやダイレクトメールなどのアウトバウンドマーケティングを「一方的・無差別」と煙たがる声も増えています。またテレビCMの場合は放映費、雑誌や新聞なら掲載費など、広告費が高いと感じる企業も増えています。

インバウンドマーケティングでは、Webサイトでの事例ブログや資料のダウンロードなどの「有益なコンテンツ」を発信することで、潜在客の興味を惹きつけ、徐々にコミュニケーションを重ねていき、最終的に推薦者にまでつなげていく手法を取ります。
アウトバウンドのテレビCMやダイレクトメールとは違い、費用がかからず、長期的に資産となるコンテンツを蓄積できるのがメリットです。

ただし、インバウンドマーケティングが万能というわけではありません。
現代ではインバウンド型を歓迎するお客様が増えているものの、CMやダイレクトメールのようにすぐターゲットに届くアウトバウンド型が必要な場面もあります。
それぞれのメリットやデメリットがあるので、使い分けることが大切です。

「インバウンドマーケティング」と「有益なコンテンツ」

「インバウンドマーケティング」は、有益なコンテンツをWeb上で発信することで、潜在客の自発的な興味関心を惹きつけ、段階的にコミュニケーションをとっていくことで顧客化し、最終的に自社の推薦者にしていくマーケティング手法のことを言い、「有益なコンテンツ」は、インバウンドマーケティングを実践するために必要な、潜在客の自発的な興味関心を惹きつけるコンテンツのことを言います。

担当者は他の業務も抱えているため、なかなか時間が取れないことが多いです。株式会社IDEATECHの調査によると、インバウンドマーケティングを実践している企業の約7割が、1ヶ月に1本のペースでしかコンテンツを配信できていないという実態が報告されています。

未来のお客様に有益なコンテンツを発信したいものの、何を書けばよいのか、どのような説明で理解してもらえるのか、日本語の使い方に問題はないかなど、社内にノウハウがない中で、現場のマーケティング担当者は悩みを抱え、なかなか行動に移せないのではないでしょうか。

インバウンドマーケティングのコンテンツ制作の考え方や作り方

実際にお客様から伺ったコンテンツ制作のお悩みをもとに、コンテンツ制作の考え方や作り方をご紹介します。インバウンドマーケティングでは、有益なコンテンツを提供し、自社に興味を持った人とコミュニケーションを重ねていくことが重要です。そのため、コンテンツは欠かせません。しかし、選んだ話題に自信が持てなかったり、製品や業界の特性上、目新しい話題がなかなか見つからなかったり、どう説明すれば伝わるのか途方に暮れてしまうこともあります。また、専門家に相談するための予算を確保するのが難しい場合もあるでしょう。

何を書けば有益なコンテンツになるのかという点で漠然と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
「有益」の基準は顧客によって異なるもので、お客様それぞれが抱える課題や求めるサービスは様々です。

有益なコンテンツを作るためのペルソナ設定

誰にとって有益なコンテンツなのかを考えるにあたって、ペルソナという顧客像を定義することから始めましょう。ペルソナとは、性別や年齢などの基本情報に加え、情報収集の場所、仕事内容、抱えている課題など、個人的な背景から抽出される要素を全て含めた理想の顧客像を指します。ペルソナの作成には、マーケティング部門だけでなく、営業やカスタマーサクセス、商品開発部門など、社内の様々な視点からの意見を集約し、多角的に練り上げることが重要です。

まず、対象となるペルソナを1つ作成します。ペルソナの課題に即したコンテンツという視点でコンテンツ案を出していくことがポイントです。「自分たちのペルソナが正しいのか」と疑問を抱き、制作の手が止まってしまうケースもありますが、ペルソナはあくまで仮定した顧客像であり、一度作ったら変更できないというものではありません。

コンテンツ公開後も、反響となるお問い合わせをもとに既に作ったペルソナを変更したり、 2人目、3人目と分けて作ったり、仮説を現実に近づけていくことも大切です。

ペルソナを策定する際には、個人的背景もしっかり作り込むことをおすすめします。
BtoBは法人同士の取引とはいえ、法人を形成する個々人の価値観やバックグラウンドも大いに影響します。 例えば、理系出身のロジカルな人をペルソナとする場合は理路整然とした説明をする方が理解を得やすいでしょう。

日頃読む雑誌やSNSの想定からは、 文章のボリュームをどの程度に抑えるべきか、どのような言い回しが伝わりやすいのか、 方向性を定める助けになります。このようにペルソナを意識して「誰に」有益なのかを定義することで、初めてコンテンツのテーマが見えてくるのです。

やみくもにコンテンツを作るよりも、誰のために用意するのか仮説を立てて取り組んだ方が公開後の効果検証もしやすくなります。
まだ自社マーケティングのペルソナが無い場合は是非取り組んでみてください。

関連記事:【テンプレ付】BtoBペルソナの作り方とは?注意点と活用メリットを解説

社内外から幅広くアイデアを収集し、ペルソナに合わせてテーマを選ぶ

ペルソナを定めたら、そのペルソナに合わせてコンテンツのテーマを1つずつ決めていきます。
テーマの選定が適切かどうかがコンテンツの質を大きく左右します。
テーマ探しは簡単ではありませんが、実は社内に多くのアイデアが眠っていることがあります。
具体的なアイデア源としては、以下のようなものが挙げられます。

1.お客様の声
営業やカスタマーサクセスが収集したお客様の疑問や要望は、コンテンツ制作の宝の山です。
製品やサービスについて「カタログやWebサイトに載っていないが知りたい」というニーズを持つお客様の声には注目しましょう。

2.社内にある知見
新入社員への説明で苦労したポイントや後輩指導で誤解が多かった点などには、お客様にとっても有益な情報が隠れている可能性があります。

3.外部の視点
外注の制作会社に協力を求めることで、社内の都合に捉われないお客様目線での斬新なアイデアが得られる場合があります。予算に合わせて上手く活用しましょう。

このように、社内外から幅広くアイデアを収集し、ペルソナに合わせてテーマを選ぶことが大切です。

潜在客の視点に立って考える

Googleの指針では独自性の高いコンテンツが評価されますが、あまりにもこだわり過ぎると制作で行き詰まってしまう可能性があります。そこで重要なのが、潜在客の視点に立つことです。

他社のコンテンツを潜在客目線で見直すことで、自社製品の魅力を伝える新たな切り口が見つかるかもしれません。競合他社だけでなく、自社製品と共通点のある他の業界のコンテンツも参考になります。
また、自分が消費者として検索したサイトにも活用できる視点が隠れている可能性があります。自社のコンテンツ制作に行き詰まった時こそ、顧客目線で他社のコンテンツを参考にするのが有効な手段となるでしょう。
テーマを考える時やコンテンツを作って見直すときに意識すべきことは、制作者と顧客の想いのギャップです。

コンテンツ制作には基礎知識と熱意が必要ですが、「買ってほしい・知ってほしい」という熱意が潜在客のニーズと合致しない場合もあります。潜在客は購入するためではなく、自分の課題を解決するために情報を探しているのです。

このギャップを埋めるために、ペルソナの活用が重要になってきます。
まずコンテンツ制作時には、制作者の知識と熱意を最大限に活かすことが大切です。しかし完成後はペルソナの視点から冷静に見直すことも重要です。

私たち自身も日常的に、他社の製品やサービスを検索し、比較検討し、購入しています。
つまり、コンテンツを受け取る側の立場に立っています。
コンテンツ制作に悩んだ時こそ提供者側の視点ではなく、受け手側(顧客側)の視点に立つことが大切です。ペルソナを活用することで、この視点の転換が可能になります。

ChatGPTなどの対話型AIの活用

ChatGPTなどの対話型AIなど、日々変化するAIも気になります。
SEOペナルティに関しても、Google社の2023年の見解では、制作方法を問わず高品質なコンテンツが評価されると明言しています。つまり、対話型AIを使った場合でもペナルティを受けるリスクは現状ほぼないと考えていいでしょう。

ただし、日本語は柔軟で多様な言語のため、現在の対話型AIでは拙い結果になることもあります。
そのため、対話型AIに「テーマを与えて完全に任せる」ことはまだおすすめできません。

一方で、対話型AIはアイデア出しや下書き作成など、一部の作業を支援するのに適しています。
対話型AIに下書きを作成させたうえで、内容の妥当性や事実関係は人間がチェックするといったような運用方法がよいでしょう。

関連記事:ChatGPTを活用して効率化!ブログ記事のテーマ検討方法と注意すべきポイント

上手く書けない場合の解決法

2つ目の悩みは「上手く書けない」という点です。
「内容」と「日本語」の2つの課題に分かれますが、まずは内容をどのように解決するかを説明します。

コンテンツのテーマが決まって、いざ書こうと思ったら手が止まってしまうこともあります。
例えば

  • 説明が長いから、最後まで読んでもらえないかも
  • 書いてみたら、話が難しいって言われてしまった
  • 上手い例えを出したいけど思いつかない
  • 全部丁寧にかみ砕いて説明したら、分厚い教科書になってしまう

というお声もあります。

経験を積んだ作家やスピーチライターでも公開までに何度も書き直すことが当たり前です。
最初から「丁寧で分かりやすく」を意識するよりも、まずは「自分が伝えたいこと」を書き出すことから始めましょう。

箇条書きで要旨をリストアップしてから、それをもとに「話の前提が分かる同僚向け」に書いてみて、
次に「前提を知らない新入社員向け」に書き換えてみます。
この時は社内の研修資料などが、説明のかみ砕き方や言葉遣いの参考になります。

さらにお客様とお話しする際に使う例え話を盛り込んだり、同業他社の説明の仕方を参考にしたり、内容を磨いていきます。

キレイな言葉にするのは一番最後。
この段取りを飛ばそうとするとつまずくことが多いのです。

自分で見直す際は、翌日や別の業務の合間に読み返すことをおすすめします。
短時間で繰り返し読むと、前提知識のある側の視点になりがちでミスを見落とす可能性が高まります。

私たちが意識すべきは、そのページを初めて目にする潜在客の視点です。
ペルソナと全く同じ状況になることは難しいかもしれませんが、できる限り頭の中の情報を一旦忘れ、ペルソナ視点で読む習慣をつけましょう。

また、よくある例として、「親切心の行き過ぎた内容になっている」ことがあります。これは、関連情報を詰め込み過ぎてしまい、本来伝えたいメインの流れが分かりにくくなってしまうパターンです。このような状況は、「物足りなく思われるのでは?」という不安が生じることが多いでしょう。

ここで意識してほしいのは「ペルソナが本当に欲しい情報は何か?」ということです。
ペルソナにとって大切なのは、探している情報が載っており、説明や根拠が足りていることなので、
読み手が求めていない余談は必要ありません。
まずは本来のテーマを思い出し、1ページ1テーマを心がけましょう。

テーマが複数あったり、関連する話題が思いついたのなら、1ページに全てを詰め込むのではなく、シリーズ化や細分化(トピッククラスター化)して、長期的な視点でサイト全体を「役立つコンテンツ群」に育てていくことが重要です。

BtoBのコンテンツはバズる瞬発力よりも、長期的に安定して走る持久力が重要です。
上手く説明するポイントとして、分かりづらいと言われたり、正しく説明しても誤解されてしまったりする場合は、話の順番を意識しましょう。

本当に分かりやすい文章は、読む速度と理解する速度が同じと言われます。
つまり読者が理解する順番通りに書けば、読んでいる最中に戸惑ったり、前の文章に戻ったりする必要がないということです。

例えば教科書の場合、初めに概念の説明があり、その後に理論、応用と続きます。これは、全体を広く見てから少しずつズームして細かい部分に迫るという流れになっています。時系列がある場合は、話の途中であちこちに飛んでしまうと読者が理解を失ってしまう可能性があります。例えば、まず過去の原因を説明し、現在の状況を話し、未来への展望を語るという順序で進めると、読者にとって把握しやすくなります。

語りたい順番ではなく、ペルソナが脱落せず最後まで読めるような順番になるよう挑戦してみてください。

日本語表現について

最後に日本語表現についてです。
普段使っている用語が業界独特でお客様に伝わらないのではないか、同業他社のコンテンツを見ても呼び方がさまざまで判断に迷う、自分のビジネス敬語に自信がない、あるいは上司に指摘されることが多すぎて自信がないなど、日本語に関するさまざまな質問も多くいただきます。

日本語の難しさは同じ意味でも状況によって複数の正解があるところです。

文章作成ソフトのMicrosoft Wordには校正機能が備わっていますが、試しに東京の地下鉄、東京メトロの構内アナウンス文を入力すると、一部の日本語表現が間違っていると指摘されます。
しかし辞書を引くと、その指摘された表現にも実際に使われる用法があることが分かります。

これはWordの不備ということではありません。
日本語は柔軟性が高く、状況によって言葉の使い方が変わるからこそ、ソフトウェアだけではすべてを網羅するのが難しいのです。

誤解の少ない・分かりやすい日本語を心がけることは重要ですが、一方で日本語には状況により、答えが変わることもあります。
文法に固執しすぎてコンテンツ配信を延期してしまわぬよう注意が必要です。
TPOを意識しながらも、過度に神経質になり過ぎないバランス感覚が大切になってくるでしょう。

状況や聞き手によって「適切な日本語」が変わる。その柔軟性こそが日本語の特徴です。

例えば、行政が使う公用文には都道府県や市町村ごとに規定がありますが、これらは必ずしも誰にでも分かりやすい言葉とは言えません。子ども向けの文章では、成長に合わせて漢字やひらがなを使い分けますが、これが逆に大人にとっては読みづらい場合もあります。技術書や教科書では、誤解が生まれないように書くために敬語をあまり使いません。このように、日本語は聞き手や目的に合わせて変化します。

私たちの目的は、コンテンツを届けたいペルソナに、誤解なく分かりやすく伝えることです。
ペルソナを意識しつつ、無理なく自社らしい言葉選びを心掛けましょう。

もし「自社なりにと言われても判断できない/何か基準が欲しい」という場合は、「記者ハンドブック」という本を探してみてください。新聞記者が使う、記事もし「自社なりに」と言われても判断できない、または何か基準が欲しいという場合は、この本がおすすめです。この本は新聞記者が使う、記事を書く際の記号ルールや、送り仮名、外来語などの指針をまとめた本です。時代に合わせて改定されているので、購入する場合はなるべく新しい版を手に入れるようにしてください。

長期的にコンテンツを育てていくためには語調の統一が重要

コンテンツは一度きりの勝負ではなく、5年10年と公開を続けて積み重ねて、自社の資産に育てるものです。
長期的にコンテンツを育てていくためには語調の統一が重要です。
ライターや担当者が変わっても、会社の一貫したトーンで書き続けられるよう社内で用語の使い分けルールなどを定めた「レギュレーションシート」を作成するのがおすすめです。

ルールの中に絶対入れなければいけない項目というものはなく、会社ごとに守りたいルールは変わりますが、サンプルを配布しているサイトなども存在します。
ここで大切なのは安定性。一人の担当者が無理に続けるのではなく、複数人で安定して続けられるようなルールを作ると良いでしょう。
しっかりルールを定めておけば、負担の偏りの解消だけではなく、繁忙期に外注ライターに頼んでも違和感が出ない体制を作れるでしょう。

語調を統一したり、一括変更する場面では対話型AIが能力を発揮できます。
対話型AIに語調の調整を任せて、人間は内容の質に専念するのも一つの手段です。
ただし、AIの出力結果に誤りがないかは必ず最終確認が必要です。
一部の作業だけでも、対話型AIが瞬時に結果を出してくれるなら作業効率はぐっと高まります。
浮いた時間をテーマ検討に使ったり、撮影に時間を掛けたり、対話型AIの結果を精査することに活用しましょう。

関連記事:Googleが示す「ページ品質評価」の仕組みとコンテンツ制作時に気をつけるべきこと|コンテンツの作り方・発信の仕方①