バイヤージャーニー策定からキーワードとコンテンツを設計
ひとくちにコンバージョンといっても、全員が「お問い合わせ」にはいきません。見込み客の購買ステージごとに求めている情報が異なるからです。
製品情報など、企業視点の情報のみ掲載している場合、おそらく製品を検討している「顕在層」しかサイトに訪れないでしょう。これでは「自社の製品で課題が解決される見込み客」がいても、課題を明確に認識できていない場合にはアプローチできないのです。
バイヤージャーニーマップを用いて、見込み客の購買行動を「自覚ステージ・検討ステージ・決定ステージ」ごと分けて整理することで、コンテンツ設計およびキーワード戦略が購買プロセス全体を効果的にサポートするこができ、お問い合わせにいたるリード母数を格段に増やすことができるでしょう。
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コンテンツの役割と最適化
では、見込み客のアクションを促進させるコンテンツとは何でしょうか。
先ほどのバイヤージャーニーにそって、必要な要素を考えていきます。
自覚ステージ向けコンテンツ
見込み客が自分の課題に気付き始める段階です。自分の会社の問題点を具体的に把握し、課題への理解を深めようとしているため、次のようなコンテンツが有効です。
- 業界トレンド情報や課題解決の事例
- 基本知識やノウハウをまとめたブログ記事やウェビナーでの解説
検討ステージ向けコンテンツ
課題解決のための手法やツールの情報を集める段階です。ここでは、自社の提供する製品やサービスが見込み客の課題に合っていることが重要です。
専門的で具体性のあるコンテンツがあれば、見込み客の選択肢に入るでしょう。
- 専門的なノウハウをまとめたホワイトペーパー
- 他社との差別化ポイントを伝える資料や動画
決定ステージ向け向けコンテンツ
見込み客が課題解決のための候補を比較検討し、最終的な意思決定をおこなう段階です。
次のような情報を用意し、自社の有益性を伝えて意思決定を促しましょう。
- 製品資料(予算規模やスケジュールが分かる内容)
- 導入事例や口コミなどの第三者評価
- 問い合わせフォームやカスタマーサポートの案内
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2.問い合わせをとりこぼさないユーザビリティ改善
問い合わせ数を増やすには、Webサイトが直感的で使いやすいことが重要です。
ページの読み込み速度やスマートフォンでの操作性といったモバイルフレンドリーな設計、さらにフォーム入力のしやすさを工夫することで、ユーザー体験を向上させ、問い合わせフォーム送信への誘導を促進します。
当たり前のようですが、見慣れている自分の会社のWebサイトでは意外と気づきにくいため、注意が必要です。特にコンバージョンに大きく影響する2つのポイントをご紹介します。
CTAボタンの設計と配置でユーザーアクションを促進
Webサイト上での「お問い合わせ」や「資料請求」などのアクションを促すボタンをCTA(Call to Action)と呼びます。CTAは、見込み客が簡単に見つけることができ、内容が明確であることが重要です。
Webサイト内のコンテンツを閲覧し、興味が高まった見込み客がすぐにアクションを起こせるように、ファーストビューに表示されるように配置するのがよいでしょう。
フォーム最適化(EFO)で問い合わせ率向上へ
Webサイトの入力フォームは、見込み客との重要な接点です。
取りこぼさないようにフォームの改善ポイント3つをチェックしましょう。
- 入力項目を最小限にする
営業視点で見込み客の情報入力項目を多く設けていないでしょうか。離脱を避けるためにも、まずは会社名・部署名・名前・連絡先(メール・電話)など最低限の項目としましょう。 - 入力方法のサポート
必須項目と任意項目がわかりやすく表示されていますか。入力不備によるフォーム離脱を防ぐため、エラーメッセージを出したり、入力する際に迷わないような設計にしましょう。 - モバイルフレンドリーな設計
スマートフォンからでもスムーズな閲覧ができ、入力がしやすいか確認しましょう。特にフォームが古いままだと、スマートフォンでの表示が崩れていたり、入力が困難な場合もあります。
フォームパフォーマンスを測定し、改善するソリューション活用
Webサイトやフォームの分かりやすさを改善するために、実際に見込み客視点で課題を洗い出せるソリューション活用も有効です。
例えばHubSpotなら、日別の送信数や送信者の情報、コンバージョンしたページなどの基本情報以外にも、次のようなフォームのパフォーマンスを確認することができます。
- フォームが設置されているHubSpotページの訪問回数
- フォームが表示された訪問者の数
- フォーム入力やクリックなどフォーム操作した訪問者の数
- フォームの送信数
- 設問項目ごとの回答数
- コンタクトが送信した回答の詳細内訳
これらの情報により、フォームの課題点を洗い出したり、修正することが可能になります。
また、HubSpotではリードの状況にあわせたフォームの自動表示も可能です。
例えば、過去提供された名前やメールアドレス、会社名をあらかじめ入力した状態で表示することができます。見込み客は変更のない情報を入力する手間が省け、フォーム送信の障壁が下がります。
企業側は、情報や検討状況を少しでも聞きたいところですが、見込み客の視点に立って円滑にアクションを誘導できれば、結果的に信頼関係の醸成にもつながるといえます。
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3.マーケティングオートメーションで問い合わせを増やす
マーケティングオートメーションは、リード獲得から商談・成約までの流れをスムーズに進めることに役立ちます。
活用イメージを大きく3つご紹介します。
リード獲得におけるマーケティング業務の効率化
マーケティングオートメーションの多くは、リード獲得に有効な施策のマーケティング業務を効率化したり、効果を発揮します。
- ランディングページ(LP)やフォームの作成
- ブログの作成、管理
- 広告やSNS連携による業務効率化
- Webサイト訪問者をリード顧客化
- 獲得したリード情報の管理
例えば、ホワイトペーパーやウェビナーを紹介するランディングページやフォームも作成できます。また、CRM機能を備えたマーケティングオートメーションであれば、Webサイト上での閲覧や申し込み履歴がリードごとに自動的に蓄積されるため、最新の顧客情報の管理をおこなうことができます。
パーソナライズコミュニケーションによるリード育成
マーケティングオートメーションは、見込み客に適切なタイミングでパーソナライズされたメッセージを送るOne to One(ワントゥーワン)マーケティングの実現が魅力です。商品やサービスに関する価値を段階的に伝えることで、見込み客の購買意欲の醸成、お問い合わせの促進に繋がります。
- 行動トリガーによるアクションや検知
- メール配信による意欲と信頼関係の醸成
- Webサイト上で、親和性のあるCTA表示
Webサイト内の特定のページを閲覧したり、申し込みを行ったリードに対して、お礼メールの自動送信や興味のありそうなコンテンツの紹介メールの送信等によりWebサイトの再訪を促すことで、適切なコンテンツを提供し、検討段階を進めることができます。
関心を引きつけながら見込み客との関係を維持することで、必要な時に思い出してもらいやすくなります。
営業フォロー・タイミングを最適化
育成したリードを営業に渡すことで、成約率の向上に繋がります。
見込み客の行動から、検討が高まっているサインを見つけ、最適なタイミングで営業フォローすることができます。
- 営業フォローのタイミング最適化
例えば、サービス紹介ページや事例ページを頻繁に閲覧しているタイミングで営業から連絡するなど、効果的に活用できます。
このように、Webサイト上のお問い合わせ導線や後押しするコンテンツを整えていく中で、Webサイトに訪れた見込み客をリード化し、より早く商談や成約を創出するのにマーケティングオートメーションは非常に有効です。